校長日誌

《校長日誌》学ぶなかで身につけてもらいたいこと

「教育」といっても、「学校教育」「家庭教育」「社会教育」「企業内教育」などいろいろな教育内容があります。よく「教育については学校と家庭は車の両輪」と言われます。子供たちに知識や体験を学ばせることは、学校だけでなく、家庭でもできると思います。精神科医の香山リカさんは、子供たちが学ぶなかで、①自己肯定感 ②真理・真実の価値への信頼 ③想像力 の3つを身につけてもらいたいと言っています。

このことは、学校ではなく、各家庭でも身につけられると思いますが、私は特に公立学校で学ぶことについて意義があると思います。一つは、同じ年代の集団の中で学ぶことに意義があると思います。同年代のなかでは、共通点も差異も認識されやすくなります。その中で「自己」を認識し、他者との関係を学び、多様な思考や感性があることがわかってきます。

また、学校では、家庭の経済力や家族構成に関係なく、どの子供にも身につけさせることができます。私立学校はその設立趣旨や進路実績などにより、保護者の経済状況や社会状況が同じ傾向の子供たちが集まりやすいといわれます。公立学校ではどの子供も同じように地域と共に歩んでいける人間関係が培うことができると思います。

子供たちに身につけてもらいたい、①自己肯定感 ②真理・真実の価値への信頼 ③想像力 について数回にわたり考えてみたいと思います。

《校長日誌》スクールカウンセラー

鳩ヶ谷高校では、今年度からPTA後援会の御協力をいただいて、スクールカウンセラーに月1回来てもらっています。スクールカウンセラーという言葉を最近は耳慣れてきた感じがしますが、その歴史は比較的浅いのです。公立学校では、平成7(1995)年に文部省(当時)が「スクールカウンセラー活用調査委託事業」を開始し全国の学校154校に導入したのが最初です。当初は「活用調査」という試行で始まったものですが、教員免許を持たない教育とは異なる専門家の登場に、学校は戸惑ったようです。思い出してみると、私も当時勤務していた高校から生徒指導研修会に行き、「カウンセリング初級」を受講した記憶があります。

日本の学校では、明治以来、担任教師がすべての役割を担うという形で学校教育が進められてきました。日常的な生活指導から、進路指導、悩み相談まで一人の担任がクラスの生徒全員を対象に行ってきたわけです。中学校や高校ではさらに部活動の指導が加わります。アメリカでは、それぞれの専門家が分担していますが、日本の教師は「何でもできる」スーパーマン・スーパーウーマンが期待されていました。最近では日本でも、社会や家庭の状況が変化する中で、教師だけでなく、外部の方の協力をいただきながら教育活動に取り組むようにはなってきていますが、アメリカに比べると教師一人一人の役割は大きいです。一人の教師が複数の役割を兼ねることのメリットもあります。一人で担当しているために、家庭環境から身体の調子、友人関係や学業成績までトータル的に理解できるのはその一つでしょう。

スクールカウンセラーの仕事は、子供の面接、保護者の面接、教師へのコンサルテーション、外部機関との連携、研修会など多岐にわたります。子供がSOSを発信した時、どのように対応してよいのか親も教師もわからなくなってしまう時があります。そのような時に、専門職としてのスクールカウンセラーの役割は大きいと思います。

伊藤美奈子 奈良女子大学教授は次のように言っています。「今、子供たちには『生きた壁』が必要です。壁は外部と内部を遮断するものであり、子供が自由にするのをある程度規制する、邪魔をする役割があります。『ダメなものはダメ』と言い切れる強い壁の存在は重要です。この壁は、子供が不用意に外に出てしまって、自分で傷ついたり苦労したりするのを防ぐ『守り(防壁)』になっているのです。家庭は『ルールを教え規制する厳しさ』と『守りの力』の両方を持っていないといけないのです。さらに、子供を取り巻く壁は、単にセメントのように無機質の壁ではなく『生きた壁』でなければなりません。生きているが故に、ぶつかった子供も痛いけれど、ぶつかられた親の側も痛みを感じ、子供の要求にしっかりとぶつかった上で、『ダメなものはダメ』と言う。ただ単にピシャッとはねつけるだけではなく、子供の痛みを感じつつ親としての痛みにも耐えるという血の通った存在であってほしい。」

このような「生きた壁」になるために、保護者や教師の連携は重要です。そこにスクールカウンセラーの方も加え、三者でスクラムを組みながら、子供たちの成長を支援できればと思っています。

《校長日誌》変えられるのは自分と未来

春の大型連休(ゴールデンウィーク)が終わりました。始まる前はワクワクして、あれをやろうこれをやろうと思っていましたが、過ぎてしまうとあっという間です。私も、学校に行ったり、連休明けの仕事の準備をしたりしましたが、1日だけスマホのアプリを使って、皇居(江戸城)の散策をしました。内堀1周5キロを歩きながら、改めて江戸城の大きさを実感しました。

ゴールデンウィークが終わると、新入生や新人社員などが新しい環境に適応できないことが原因でメンタル的に不安定になる「五月病」の季節でもあります。

人間は常に後悔する生き物だと思います。「なぜあの時、あんなことを言ってしまったのか」と過去のことや他人の言動を気にするものです。カナダ出身の精神科医エリック・バーン(19101970)の名言があります。

「他人と過去は変えられない。変えられるのは自分と未来」

という言葉です。

他人の人生や過去に起こったことは変えることはできません。変えられない過去に執着するより、変更可能な「自分」と「未来」に注目してみましょう。

「未来」を変えるためには、「行動」を変えていくことが大切です。自分の「行動」を変えれば、未来は変わります。一度やってうまくいったなら、次もその方法でやってみることです。うまくいったことを何度も続けているうちに、自分の得意分野ができてきます。そうした経験の繰り返しが自分の身を助け、自信をもたらしてくれるでしょう。逆に、うまくいかないなら他のことを試してみることです。うまくいかないことに、いつまでも執着することはありません。自分に合うものなら、時間も忘れて没頭できますし、合わないものの何倍もの速さで、取り組むことができます。

 今年は、秋にも大型連休(9月19日~23)がありますが、別名シルバーウィークというのだそうです。「他人」と「過去」は変えられません。変えられるのは「自分」と「未来」です。この二つを変えることに取り組めば、「うまくいかない自分の人生」が何倍も生きやすく、楽しいものに感じられるでしょう。

《校長日誌》池波正太郎の世界・善事と悪事

 ゴールデンウイークが始まります。新年度がスタートして1カ月、そろそろ疲れが出てくる頃です。生徒も教職員も、この1カ月頑張った自分に対して、プチご褒美をしてもらいたいと思います。五月晴れのもと、外出するのも良いでしょうし、自宅でボーとするのも良いでしょう。

私は、ここ数年、池波正太郎の小説やエッセイを改めてよく読みます。先日、『真田太平記』全12巻を読了しました。昨年の夏に、大阪へ行った時、朝の散歩で、大坂冬の陣(1615年)の際に真田幸村が構築した真田丸の跡に行ったのがきっかけです。昨年の10月から読み始め7カ月かかりました。
 歴史小説の傑作を数多く世に送り出した作家・池波正太郎は大正12年(1923年)東京・浅草に生まれました。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』をはじめとする作品の数々は、舞台、テレビ、映画でも多くの人々から愛されてきました。魅力あふれる登場人物の描写からは、池波正太郎の「人」に対する深い洞察と愛情とが感じられます。

「人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ。

善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける。

悪事をはたらきつつ、知らず知らず善事をたのしむ。これが人間だわさ」

                         (「鬼平犯科張 谷中いろは茶屋」)

 スマホに「今昔散歩」というアプリがあり、東京都23区内の現在と明治末期、江戸末期の3種類の地図を比べることができます。私は、東京に行く時にこのアプリを活用して、時空を越えて散策しています。

《校長日誌》親の無関心・過干渉はNG

 今日の鳩ヶ谷高校は、1学年は体験活動でバスに乗り江戸崎農業公園ポティロンの森(茨城県稲敷市)へ、2学年は遠足で電車に乗り羽田空港・横浜方面へ、3学年は進路ガイダンスのため学校です。春の心地よい天気に恵まれたので、1・2年生は楽しい校外行事になったと思います。3年生は校内で大学・短期大学・専門学校・就職指導の分野94校の中から3校を選択し、個別具体的な説明を受けました。いよいよ進路スタートです。

 進路は本人以上に保護者の皆様にとってもやきもきされていていると思います。無関心はいけませんが、実は干渉しすぎも禁物です。朝日新聞の記事を参考に専門家の声から、保護者がすべきこと、してはいけないことをまとめててみました。

◎これをやろう3カ条

 1 ふだんから親子で会話をし、自分の仕事の話をする。

 2 今どきの就活事情を知る。

 3 子供の長所を伝える。

× やっちゃダメ3カ条

 1 価値観を押し付け、細かいチェックや露骨な関心を示す。

 2 人格否定をしたり、会社に直接接触する。

 3 昔の感覚でアドバイスする。

 臨床心理士の信田さよ子さんは、次のように言っています。

 就活生の親が中途半端にものわかりよくすることは一番よくありません。特に「やりがいを見つけろ」とか、「やりたいことをやればいい」という言葉は、子供を焦らせ、現実を見えなくさせるだけの「禁句」です。そういう親に限って「やりたいことが見つかった」と子供が決めた時、それが自分の意に沿わないものだったら、否定したりする。本当にやりたいことなんて、そう簡単に見つかるものではないという現実を教えてあげてください。むしろ「就職したら、とにかく自立してね。もし自宅から通うなら、月に食費3万円は入れなさい。それができる安定した仕事に就きなさい」と言う方がよほどよい。「経済的に自立しなさい」という一点だけ要求される方が具体的で、子供もスッキリします。

 いつの時代も、親と子供の距離感は難しいものです。

《校長日誌》親学のススメ

 近年、都市化、核家族化、少子化、地域における地縁的つながりの希薄化等により、家庭の教育力の低下が指摘されています。文部科学省の調査によると、約7割の親が家庭の教育力が低下していると実感しており、しつけや子育てに自信がない家庭が増えているとのことです。このため、埼玉県教育委員会でも平成19年度には『「親の学習」プログラム集』を刊行するなど、子育て中の親に対して、親としての力を高めることなど家庭教育に関する学習を支援しています。
 今年度から、PTA会長さんと相談し、鳩ヶ谷高校のホームページでも「親学」のページを設け、保護者力の向上のために様々な情報を提供してまいります。

【校長日誌】農業大学校

 去る4月14()、熊谷市に移転した埼玉県農業大学校で入学式があり、出席してきました。新校舎は寄宿舎も含め、埼玉県産の木材を中心に建築され、清新な校舎でした。今年度は、鳩ヶ谷高校の卒業生Yさんが農業大学校に入学したので、入学式を楽しみにしていました。Yさんは新入生代表として、新入生誓いのことばを立派に述べました。鳩ヶ谷高校を卒業して1ヶ月しかたっていないのですが、季節が冬から春になるのと同じように、若者はどんどん成長することを実感しました。

 埼玉県農業大学校は、戦時中の昭和20(1945)年4月、入間郡鶴ヶ島村(現在の鶴ヶ島市)に40ヘクタ-ル余りの敷地をあて、農村中堅青年養成を目的として、埼玉県農民道場として誕生しました。昭和60(1985)年4月、農業者の生涯教育並びに地域農業振興の観点から、従来の農業後継者の育成に加え、新たに農村地域の指導者の研修を行うため、埼玉県農業大学校として発足しました。今年度の入学生にも新卒者だけでなく新規に営農を希望する方や、女性も多くみられました。埼玉県は大消費地である東京都に隣接し、全国でも屈指の農業生産県でもあります。埼玉農業の限りない可能性を感じました。

【校長日誌】チーム鳩ヶ谷

 私は、電車とバスで通勤していますが、4月から駅や街中では新入生や新入社員などのフレッシュマンが溢れています。鳩ヶ谷高校も新入生が入学し、学校に活気があります。今日は対面式や部活動紹介があり、放課後は部活動見学で新入生はいろいろな部活動を見学していました。

 対面式では、全校生徒841名に「グループとチームの違い」について3点話をしました。グループは強いリーダーに率いられる。チームは状況に応じてリーダーシップを分かち合う。②グループはただ黙々としている。チームは楽しみ、笑いが絶えない。③グループは必要だから集まる。チームは仲間との集いを待ち遠しく思う。皆さん、チーム鳩ヶ谷を一緒に創りましょうと語りかけました。生徒会長の挨拶も、新入生代表の挨拶も立派でした。今年度のチーム鳩ヶ谷にとても期待しています。

【校長日誌】平成27年度本格スタートです

 鳩ヶ谷高校も本日が平成27年度第1学期始業式、第28回入学式と本格的にスタートです。始業式では、新3・2年生555名に対し、昨年度の終業式の時の校長からの春休みの宿題3つについて話をしました。入学式では、新入生286(普通科162名、園芸デザイン科41名、情報処理科83)に、今やるべきことを見抜く力、自分を伸ばす力、今を楽しみ前進する力、の三つの力を身につけてほしいというお話をしました。
 昭和63(1988)年以来の4月8日入学式の時の雪でした。この雪を吉兆と思い、鳩ヶ谷高校生一人一人が伸び伸びと成長してくれるように頑張ります。

【校長日誌】じゃんけんポン

 昨日、平成26年度の修了式を行いました。鳩ヶ谷高校も学年末休業に入りましたが、生徒諸君は部活動、教員は新年度に向けた準備などに取り組んでいます。
 今日は、昨日の修了式でのお話を紹介します。

 平成26年度が修了します。春になります。桜が咲きます。節目の時期です。生徒諸
君だけでなく、私たち教員も4月に向けて、「やるぞ」と気持ちを切り替える良い時期です。

 さて、突然ですが、生徒の皆さん、先生方も一緒に、右手を高く上げましょう。私とジャンケンをしましょう。最初はグー。ジャンケンポン

 実は、ジャンケンで今の皆さんの気持ちがわかるという心理学の分析があります。ジャンケンは、瞬時に出すものを判断しないといけません。そこに深層心理が表れやすいと言われている。グーの人。周りに流されない強い意志の持ち主。コツコツ頑張るタイプ。チョキの人。物事を客観的に見て冷静に判断する者。考えて動くタイプ。パーの人。何事も包み込む包容力の持ち主。柔軟で優しいタイプ。参加しなかった人。どうにかなるさと楽観的に考える者。恥ずかしがり屋さん。めんどくさがり屋さん。何事も参加しないと何もできません。参加しなかった人、ひとつ、生き方を変えてみましょう。