校長日誌

チョークがなくなる

 明治の昔から、学校教育と言えば黒板とチョークが必需品でした。「羽衣チョーク」という知る人ぞ知るチョークのトップブランドがあります。その品質は世界水準です。しかし、羽衣文具株式会社(本社:愛知県春日井市)が平成27年3月に廃業することが発表されました。少子化と教育環境の変化による需要の減少、後継者不在、社長の体調不良が原因だそうです。

 20年くらい前までは、各駅に伝言板がありました。駅での待ち合わせで連絡したいことを書くために黒板が設置されていました。羽衣チョークは、雨や水に濡れても字が消えない「レインチョーク」など独自の技術を持っていました。また、業界初の「蛍光チョーク」を開発するなど、パイオニア的存在でした。前回、英国オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・オズボーン准教授が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来-コンピュータ化によって仕事は失われるか-』という論文を紹介しましたが、コンピュータ化だけでなく、少子化などによって影響を受ける企業もあります。何事もアンテナを高くして情報をキャッチし、分析する必要があります。

小学生の65%が今ない職業につく?!

 昨日の鳩ヶ谷高校は、1年生が校外学習、2年生が修学旅行、3年生が遠足と、生徒が校外で活動していました。1年生は先日来館者が80万人を達成した川口市にあるSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザで来年度の修学旅行に向けた視聴覚教材を視聴しました。2年生の修学旅行は長崎・島原方面は天候にも恵まれ、民泊1日目も順調です。3年生は長瀞に遠足に行きました。長瀞は曇り空だっだようですが、学校に戻ってきたときは予想外の冷たい雨で、生徒の帰宅は大変でした。
 
 「子供たちが大人になる頃、その65%はまだ存在していない職業に就く」

 米国のデューク大学のキャッシー・デビットソン教授が2011年にニューヨークタイムズのインタビューで、「2011年度に米国の小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今存在していない職業につくだろう」と語り、大きな波紋を呼びました。なぜ、65%という数字が出てきたのか、それは雇用の前提となる専門性の変化が常態化し、職業が安定した存在でなくなることは間違いないだろうと考えられるからだといいます。

 最近では英国のオックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・オズボーン准教授が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来-コンピュータ化によって仕事は失われるか-』という論文が、世界中で話題になっています。702の職種について、コンピュータにとって代わられる確率を試算し、これからなくなる仕事を示しており、衝撃を与えました。それによると、銀行の融資担当者、スポーツの審判、不動産ブローカー、レジ係、ホテルの受付係、時計修理工などがあげられており、これらコンピュータに代わられる確率はいずれも90%以上だということです。教育でも無料でオンライン講義を受けられるシステムが急成長し、従来の教室での知識伝達型だけの一斉授業方式では消滅してしまう可能性があるとのことです。

 1982年にCDが発売されたとき、私はレコードがなくなることはないだろうと思っていましたが、レコードは過去のものとなってしまい、CDもその存在感を失いつつあります。レンタルビデオ店は、ビデオ・DVD・CDのレンタル利用者がまだたくさんいましたが、インターネットを利用した高速データ通信の普及によって、今ではオンライン上でのオンデマンド配信に代わりつつあります。「不易と流行」という言葉がありますが、しなやかに対応できる柔軟性が大切なのでしょう。


「普通」ということ

 今日、本校の5年次教員の研究授業がありました。数学の教員で、「数学Ⅰ」におけるデータの分析の授業でした。プロ野球読売ジャイアンツ所属選手の年俸を題材に、平均値、中央値、最頻値を求めさせる授業でした。パソコンや電卓で簡単に計算できる現代だからこそ、数値の根拠についてしっかりと考えさせることは大切だと実感しました。同時に、公民科のベテラン教員の「現代社会」の授業で、生徒に調べさせ、小グループで討論させ、意見をまとめる「協調学習」の授業をみました。3年生の生徒が積極的に意見交換をしていました。

 教育改革が叫ばれて久しいです。ふと、『崖っぷち弱小大学物語』(杉山幸丸著・中公新書ラクレ・2004年)を思い出しました。京都大学から中京地区の私立大学新設学部の立ち上げに奮闘した4年間の記録が本書です。いわゆる研究中心大学(授業はほとんどなく院生の面倒をみる程度)から本人いうところの崖っぷち弱小大学に異動したところから話は始ります。現在、大学全体の3分の2以上が崖っぷち弱小大学に分類されるそうです。

 「私は長年大学に所属し、自然科学の研究に従事し、多少は世界の同業者にも求められる成果を挙げてきた。そして現職に移った。そして感じたこと。それは、私のこれまでのキャリアなどは学生達にとって何の値打ちもないということであった。私にとって大事なのは、どうやって学生達にやる気を起こさせるかである。知識が増えることは、勉強する事の苦しさを乗り越えることは、単位を取るということ以上に大きな喜びにつながるすばらしい気分が味わえる事なのだと、頭と体でわからせることである。自然や社会で起きているさまざまな現象間に、相互の関連があると気づかせること。現象の表面だけでなく、その流れや周囲の環境を見ることによって理解が深まる事。何かに集中して一つのことをまとめあげる快感は、そこに達するまでの苦労を吹き飛ばすほど大きい事…」

 大学教育と高校教育は異なりますが、私は、学校教育に必要なのは、いわゆる「評論家」ではなく「実践家」が必要だと思っています。学部長として招かれた著者は、これまでとあまりに違う学生の状況に接して、どうしたものか悩み続けました。そして次のような結論に達したのです。「普通の人間が普通の社会で普通の人生を送れるように育てよう。普通の若者が元気を出せるような教育をしよう」と。

世界平和記念日

 去る11月7日は立冬であり、暦の上ではもう冬です。今日は冬を感じさせる寒さです。2年生も修学旅行まであと1週間ほどとなりました。
 今日、1111日は、世界平和記念日です。今日は、第一次世界大戦(19141918)において、ドイツと連合国との休戦協定が19181111日に締結されたのです。今年2014年は、第一次世界大戦開戦100周年にあたります。20世紀は「戦争の世紀」と言われますが、わずか100年前でした。

 日本にとって「戦争」といえば第二次世界大戦のイメージが強いですが、ヨーロッパにおける第一次世界大戦の歴史的位置づけは第二次世界大戦と同じくらい大きいものです。英国ではGreat Warと言えば第一次世界大戦であり、今日1111日は、Armistice Dayと言われ、毎年赤いポピーを胸につけ、追悼式典が開催されます。

 高校世界史において第一次世界大戦は、「総力戦」の出現、戦車、飛行機などの新たな武器の出現、膨大な戦没者、ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー二重帝国、オスマン・トルコ帝国、ロシア帝国の滅亡など、その後の世界史に大きな影響を与える出来事が起きており、ターニングポイント(転換点)の一つです。しかし、第一次世界大戦の終結からわずか21年後に、第二次世界大戦(19391945)が勃発してしまいます。いつの時代でも、私たちは歴史に学ぶ謙虚さが必要です。

がん教育講演会

 先週の1023()、鳩ヶ谷高校に阿南里恵さんをお迎えして、2・3年生対象にがん教育講演会を開催しました。埼玉県保健医療部疾病対策課の御協力をいただき、開催したものです。

 埼玉県の死因の第一位はがんであり、平成25(2013)年には年間1万8千人の県民の方ががんで亡くなっています。特に、女性特有がんである乳がん及び子宮がんについては、早期発見・早期治療により治るがんであるにもかかわらず、他のがんと比較して死亡率がほぼ横ばいに推移しているそうです。そこで、疾病対策課では、若い世代から、乳がん・子宮がんの正しい知識や検診の重要性を学ぶことで、女性特有がんへの関心を高め、予防行動や将来のがん検診の受診を促すとともに、家庭内での波及効果も期待し、県内高校生を対象としたがんに関する出前講座を開催しています。

 ご講演いただいた阿南里恵さんは、23歳の時に子宮頸がんを発症し、充実していた社会人生活が一変して闘病生活をされ、ご両親、友人等に支えられ元気に快復されました。その後、子宮頸がん啓発セミナーなどで講演活動をされ、「がん教育」や「いのちの授業」などを行われてきました。現在は、厚生労働省がん対策推進協議会の委員として、国のがん対策に携わっています。
 講演が始ると、2・3年生の生徒諸君と教員は、阿南さんの壮絶な闘病生活と希望を失わない前向きな生き方に共感し、私語ひとつなく聞き入りまいた。講演をとおして、今、生きていることの幸せを実感しました。
私は、阿南さんの3つの言葉が特に印象的でしたので、ご紹介します。

1 命はいつ終わるかわからない。それは自分も他人もみんな同じ。だから今日を大切にする。

2 つらくて、つらくて、たまらなくなったらSOS。

3 幸せは比べられない。自分で気づくこと、感じること

身近な大人への職業調べ

 昨日、鳩ヶ谷高校の「総合的な学習の時間」で1年生を対象に「身近な大人への職業調べ」を開催しました。身近な方の職業人としての姿を取材することにより、職業への理解と就業観の進化を図る取組です。PTA会長(当時)の発案により企画され、今年で3回目となります。PTAのご協力をいただき、今年は、保育士、消防士、臨床工学技士、医療事務のお仕事をされている方4名にご来校いただきました。2会場に分かれ、1年生全員が4名の皆様から、その仕事に就いた理由や仕事内容、楽しさと苦しさなど多面的多角的にお話いただきました。
 私が拝聴して皆様に共通していると思ったのは、それぞれのお仕事に対する使命感です。生徒諸君の心にもしっかりと届いたと思います。

保護者力

 鳩ヶ谷高校の今日は週休日であり、中間考査2日前のため部活動もなく、生徒諸君は登校していません。中間考査頑張ってもらいたいと思います。2週間連続して台風におびえる週末でしたが、今日は爽やかな秋晴れです。午前中に2学年保護者会、午後は第3回PTA・後援会理事会を開催しました。2学年保護者会には103名の保護者の方に御来校いただきました。修学旅行の説明と進路関係の講演会の2本立てでした。
 学校は、保護者や地域の皆さんと連携を深めながら子供たちの教育を行うところです。最近、子供への保護者の役割や影響のことを「保護者力」と呼ぶことがあります。かつては、高校生が自分の進路を考える時、相談相手は、学校の先生、保護者、友達の順でした。しかし、最近は、保護者の比率が高まっているそうです。本校の生徒・保護者アンケートでも生徒の58.8%が保護者にまず相談しているようです。
 小学校・中学校と違い高校では、親も子供の自立のために子供への距離を置くようになるとともに、子供も親への依存度が少なくなってくる時期です。このような中で「保護者力」をどのように発揮すればよいのでしょうか。
 いつの時代も子供は親の背中を見ながら育ちます。親の生き方や考え方が、子供の人生観に大きく影響を与えます。今日では、保護者が家庭で厳しくしつけを行い、社会規範を教えるというだけではなく、相談相手としての役割も担うようになってきています。そのためには、正しい情報がないと的確なアドバイスはできません。
 鳩ヶ谷高校では、保護者会やPTA行事などで卒業後の進路や職業選択に関する多くの情報を提供しています。9月26日に県教育委員会の定期的な学校訪問があり、鳩ヶ谷高校のよい教育活動を積極的にアピールするようにというアドバイスがありました。従来の学年だよりなどの紙媒体だけでなく、学校ホームページなどでも積極的に情報提供する必要性を感じています。今後も、より積極的に保護者の方に進路情報や生活指導情報など、様々な情報を発信してまいります。
 学校と家庭が車の両輪となって、子供たちに、時に厳しく、時に優しく、また良き相談相手にもなりながら、子供たちを育てられればと思います。今後も本校の教育活動に一層の御協力をお願いいたします。

イベントの秋

 今日は台風一過の爽やかな秋晴れです。鳩ヶ谷高校は平常どおりの授業です。2週連続での台風襲来で、テレビやインターネットで情報収集をし、対応策を考える週末でした。おかげさまで、鳩ヶ谷高校では被害はありませんでした。
 さて、秋と言えば、イベントの秋です。10月11日(土)、12日(日)、は第45回商工まつり(主催:鳩ヶ谷商工会 後援:川口市)が、鳩ヶ谷庁舎駐車場で開催されました。同時に、10月11日(土)~13日(月)には、川口市立グリーンセンターで川口グリーンフェスティバル2014が開催されました。いずれも、本校の園芸デザイン科の生徒諸君がコサージュ作り教室やフラワーアレンジメントに協力をしました。私も、11日(土)に商工まつりの会場を訪ねてみました。予想以上に多くの親子連れの方々が来場されており、ステージでのイベント、チビッコ大抽選会、屋台など盛りだくさんの商工まつりでした。鳩ヶ谷高校のコサージュ作り教室のブースでは、2年生の女子生徒5名と教員2名で対応しましたが、おかげさまで大盛況でした。
 鳩ヶ谷は江戸時代からの歴史ある宿場町です。本校は、鳩ヶ谷という歴史のある地名を校名にいただいております。今後とも地域の皆様の思いを大切にしながら歩んでいきたいと改めて思いました。

総合的な学習の時間② 社会人となるマナー講座

 私が高校生だった頃に比べると、今日の高校教育は変容しています。授業科目においても、家庭科男女必修化、教科「情報」の新設などとともに、土曜日半日授業がなくなり学校週5日制になるなど、大きく変わっています。さらに、社会の変化に伴って学校教育には、様々な要望が寄せられます。そのような状況の中で、平成14(2002)年度から「総合的な学習の時間」が学年進行で導入されました。自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てることなどをねらいとすることから、思考力・判断力・表現力等が求められる「知識基盤社会」の時代においてますます重要な役割を果たすものと思います。

 鳩ヶ谷高校の「総合的な学習の時間」は、学年ごとに体系化しており、学科、教科を横断的、総合的に取り組む内容になっています。キャリア教育、防災教育、国際理解教育、マナー教育など、これから社会に出ていく高校生に必要な内容を総合的に行っています。3年生が行った「社会人となるためのマナー講座」は、9月25()に男女別、10月2日()クラス別でマナー講習会を行い、昨日は、PTA後援会顧問の方の御協力により専門学校の方3名にご来校いただき、男女別に講演をいただきました。頂戴した名刺に「感謝する心、素直な心、優しく強く」とありました。社会の第一線でご活躍されている方が求めるのは、学校教育が求めることと共通項が多いと改めて実感しました。社会人になると特に身だしなみは大切です。生徒たちは身だしなみだけでなく気配りの大切さを改めて実感していました。

総合的な学習の時間① 経済同友会

 鳩ヶ谷高校は、普通科・園芸デザイン科・情報処理科の3学科併置の特色ある学校です。高校の場合、普通科と専門学科は、専門学科では普通科目の他に専門科目を多く学習するため、普通科目の学習時間が普通科に比べると少なくなります。また、専門学科では「総合的な学習の時間」を課題研究で対応している学校が多い状況です。鳩ヶ谷高校では、3学科併置の特色をいかすために「総合的な学習の時間」を学年統一の内容で実施しています。

 今日は、「総合的な学習の時間」がある日でした。1年生は公益社団法人経済同友会の御協力により8名の方に御来校いただき出張授業をしていただきました。2年生は修学旅行に向けた事前学習、3年生は本校PTA後援会顧問の方の御協力により「社会人になるためのマナー講座」を開催しました。今日は、1年生の取組について、明日は、3年生の取組についてご紹介します。

 御協力いただいた公益社団法人経済同友会は、昭和21(1946)年に設立され、日本経済団体連合会(経団連)、日本商工会議所と並ぶ「経済三団体」の一つです。

 経済同友会では、「活力ある21世紀の日本社会を支えていく人材の育成・教育」のために、企業・経営者にできる具体的な活動として、「学校と経営者の交流活動」を推進しており、約100名の経営者が登録され、年間約140件(2013年度実績)の出張授業や講演活動を展開しています。この活動は、平成13(2001)年4月10日に発表した提言「学校と企業の一層の相互交流を目指して~企業経営者による教育現場への積極的な参画~」に基づき行われている事業だそうです。

 鳩ヶ谷高校では、企業経営に携わられている方から、企業や社会の現状等を生徒に直接お伝えいただくことにより、生徒が自分の将来に対する希望や目的を持つきっかけとするために企画したものです。「社会に出る前の今、私たちが身に付けておくべきこと」という演題により、クラスごとに授業をしていただきました。御来校いただいた講師の方々は、企業経営の第一線でご活躍されている次の皆様方でした。

  赤羽根 靖隆 氏  DTS 特別顧問

  岡本 和久 氏   I-Oウェルス・アドバイザーズ 取締役社長

  桐原 敏郎 氏   日本テクニカルシステム 取締役社長

  高坂 節三 氏   日本漢字能力検定協会 代表理事

  出口 恭子 氏   アッヴィ 社長

  同前 雅弘 氏   大和証券グループ本社 名誉顧問

  林  達夫 氏   アークデザイン 取締役社長

  古橋 和好 氏   感動創造研究所 エグゼクティブ フェロー

 1年生の各教室では、講師の皆様のスタイルにより、パワーポイントを使用されたり、講義形式や集会方式など様々でした。時に、笑いあり、納得ありの50分間で生徒はとても真剣に聞いていました。講義の内容は、私たち教員にも大変参考になるものでした。また、テレビ埼玉の取材があり、生徒はちょっと緊張気味でした。出張授業の内容は、本日のテレビ埼玉のイブニングNEWS(17:4518:00)とニュース930(21:3022:00)で放映予定とのことです。
 ご多忙の中、鳩ヶ谷高校にご来校いただいた皆様に改めて感謝申し上げます。