校長日誌

《校長日誌》1秒後かもしれない

 たった今、鳩ヶ谷高校被災地ボランティアが宮城県女川町に向かってバスで学校を出発しました。生徒33名、引率教員4名のボランティア団で、今年で4回目です。

 昨年、大手広告会社の北海道博報堂が制作した「1秒後かも知れない」というCMがあります。

「災害を考える」をテーマに北海道地域限定で放送されたCMです。平日の昼間に発生した「東日本大震災」や寝静まった真夜中に発生した「広島市土砂災害」など、自然災害は様々な時間に発生しています。実際に災害が発生した時間と、日常の中で対処しづらいシーンをモチーフに構成することで、災害時どこで何をしているかを知ることができないからこそ、日頃からの防災意識を持つことの大切さを訴えたかったと制作者は言っています。

(場面)画面中央のデジタルの時刻が11:51

高校生が学校で授業を受けている。

父親がクライアントに説明している。

母親が自宅のキッチンで昼食を作っている。

    画面中央のデジタルの時刻が11:52にかわる・・・

    「2014年9月27日 御嶽山噴火」のテロップ

(場面)画面中央のデジタルの時刻が14:45

    高校生が部活動でバレーボールをしている。

    母親が買い物帰りで家に歩いて手向かっている。

    父親がエレベーターに乗っている。

    画面中央のデジタルの時刻が14:46にかわる・・・

    「2011年3月11日 東日本大震災」

(場面)画面中央のデジタルの時刻が22:16

    母親が自宅のキッチンで洗い物をしている。

    父親が懇親会を終えて帰宅しようとしている。

    高校生が自宅のお風呂でリラックスしている。

    画面中央のデジタルの時刻が22:17に変わる・・・

    「1993年7月12日 北海道南西沖地震」

(場面)画面中央のデジタルの時刻が02:59

    親子が自宅のベッドで寝ている。

    画面中央のデジタルの時刻が03:00に変わる・・・

   「2014年8月20日 広島市土砂災害」

【ナレーション】「直前まではいつもと同じ普通の日でした。」

(クレジット) それは、一秒後かもしれない

(場面)リビングでくつろぐ親子

【ナレーション】「その時のために、今できること」

(クレジット) 日ごろ忘れていませんか、大切なこと。

 今回の被災地ボランティアに参加した生徒は、東日本大震災が発生した時は小学校4年生、5年生でした。平成23年3月11日の東日本大震災から5年4か月が過ぎました。自然災害は楽しい日常を一瞬にして奪ってしまいます。その時のために、今何ができるのかを考えることはとても大切です。突然の自然災害に遭遇しながらも、節度を失わず、悲しみに耐え、譲り合い、助け合う被災地の皆さんの姿を思い出してみましょう。

 鳩ヶ谷高校の33人の仲間たちが、宮城県女川町で、一人一人「大切なこと」を得てきてもらいたいと思います。

《校長日誌》1学期終業式

 今日は平成28年度第1学期終業式でした。終業式では、校長講話、生徒指導主任講話がありました。校長講話では、イソップ物語の『北風と太陽』をもとにバランスの大切さを話しました。生徒指導主任からは①交通ルールを守って交通事故防止すること ②SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス:Facebook、LINE、Twitterなど)によってトラブルを起こさないことの2点の注意がありました。特にSNSでは、コミュニケーションという英語は「伝達」という一方方向の意思伝達であり、しっかりと対話をすることの大切さを訴えてくれました。
 表彰では、①成績優良者、②園芸デザイン科農業鑑定競技会・意見発表競技会の入賞者、③写真部の第35回埼玉県高等学校写真連盟写真展入賞者、④硬式テニス部の川口・蕨・戸田地区三市強化テニス大会準優勝組、⑤新体力テスト最優良者、⑥書道部の第55回埼玉県硬筆展展覧会入賞者 の表彰を行いました。
 最後に、第40回全国高等学校総合文化祭広島大会へ埼玉県代表として参加する写真部の矢作さんの壮行会を行い、高らかに校歌を斉唱しました。
 今日の校長講話の内容は、★校長からの親学★で紹介します。
 

《校長日誌》PTA進路バス見学会

鳩ヶ谷高校では今日はPTA主催の進路バス見学会でした。東京都文京区にある文京学院大学本郷キャンパスと東京都荒川区にある道灌山学園保育福祉専門学校を訪問しました。実は、私は進路バス見学会に参加するのは生まれて初めてで大変楽しみにしていました。

文京学院大学では、学校概要の説明の後、学生さんによるキャンパス案内でした。経営学部4年生の男子学生は「自分は高校時代、人前で話すのがとても苦手だったので、大学入学後は意識して人前で話をするようにしています。経営学を学んで本当に楽しいです」と笑顔で話していたのが印象的でした。立派なキャンパスガイドに、大学生としての自信を感じました。途中で鳩ヶ谷高校OGの経営学部3年生の女子学生にも出会い、参加していた教員もビックリしていました。

道灌山学園保育福祉専門学校では、幼稚園教諭、保育士の資格取得のための方法論を教えてもらいました。大学だと幼稚園教諭1種と保育士の取得が可能、短期大学だと幼稚園教諭2種と保育士の取得が可能、専門学校だと幼稚園教諭2種と保育士の取得が可能とのことです。学費は、大学だと約500万円、短期大学だと約250万円、専門学校だと約200万円と異なります。エレベーターで働きながら学べるⅡ部(夜間部)に在籍している保育助手の学生に出会いました。将来の夢実現に向けて、真剣に向き合っている学生の眼差しはまぶしかったです。また、ここでも鳩ヶ谷高校OGの2年生に出会い、若者の伸びしろを実感しました。

 帰りのバスの中では進路指導主事と進学教育研究社の担当者による進路ガイダンスがありました。そのなかで、「高校生の進路実現には山登り型と川下り型がある。山登り型は自分で登れるが、川下り型は目移りをしがちでなかなか決まらない。子供と進路のことを話をするには、事前に日時を予約するとよい。子供も子供の都合があり、日時を予約すると覚悟を決める。学校と保護者が一体になって川下りから山登りに向かわせる仕掛けがポイントです」とのアドバイスが印象に残っています。とても有意義な1日でした。

《校長日誌》埼玉中小企業家同友会

ヶ谷高校は、普通科・園芸デザイン科・情報処理科の3学科併置の総合制高校です。高校の場合、普通科と専門学科は、専門学科では普通科目の他に専門科目を多く学習するため、普通科目の学習時間が普通科に比べると少なくなります。また、専門学科では「総合的な学習の時間」を「課題研究」で対応している学校が多い状況です。鳩ヶ谷高校では、3学科併置の特色をいかすために「総合的な学習の時間」を学年統一の内容で実施しています。

 今日は、「総合的な学習の時間」がある日でした。3年生は埼玉中小企業家同友会の御協力により10名の方に御来校いただき出張授業をしていただきました。

中小企業家同友会は、「中小企業の経営をよくしたい」という目的を掲げ、1957年4月に東京に「日本中小企業家同友会」が設立され、その後大阪、愛知などにも 同友会の輪は広がり、1974年4月には「埼玉中小企業家同友会」が設立されました。現在では全国47都道府県にあり、約45,000社の中小企業経営者が加盟している中小企業経営者の団体です。埼玉県では約1,000社の会員が活躍されています。中小企業経営者が自主的に参加し、皆さんで運営して、経営体験を本音で語り・学び合い、経営者として・人間として成長する、経営者の学びの場・成長の場が埼玉中小企業家同友会です。

鳩ヶ谷高校では、企業経営に携わられている方から、企業や社会の現状等を生徒に直接お伝えいただくことにより、3年生が社会人としての心構えを持つように企画したもので、クラスごとに授業をしていただきました。御来校いただいた講師の方々は、企業経営の第一線でご活躍されている次の皆様方でした。ありがとうございました。

()アートエンディング代表取締役 西本 淳弥 様

()メガネマーケット代表取締役 久賀 きよ江 様

()KSPさいたま支社長 石井 利典 様

三協ダイカスト() 代表取締役 松浦 眞吾 様

泰清倉庫() 代表取締役社長 小山 展弘 様

トマル電気工業() 代表取締役 都丸 亮一 様

 ()ホウユウ 代表取締役 太田 久年 様

《校長日誌》自転車だって加害者に・・・交通安全教室

6月10日は武南警察署と川口市交通安全課の御協力をいただいて、交通安全教室を開催しました。川口市交通安全課の担当者からの解説、DVDの視聴、武南警察署員の方からの講評をいただきました。現代日本は交通社社会ですが、自転車と歩行者の交通事故では自転車運転者に賠償責任も発生します。

○ 日没後にスピードを出しながら歩道を自転車で走行。見通しのよい歩道上であったが、右方向に気を取られ前方不注意でいたため、歩行者の発見が遅れて衝突。歩行者は脳挫傷の傷害を負い、高次脳機能障害が残った。

→損害賠償 約6000万円(平成23年7月:大阪地裁判決)

○ 日没後、男子中学生(15)が自転車通行可の歩道の中央辺りを無灯火で通行中、前方の交差点の信号が青だったことから、信号が変わらないうちに横断しようと加速して進行した直後、対面通行してくる歩行者に気づいたが、ブレーキをかける間もなく正面衝突して転倒させ、歩行者は死亡した。

→損害賠償 約3000万円(平成19年7月:大阪地裁判決)

○ 高校の男子野球部員5,6人が部活動後、自転車に乗り縦に2列になってかなりのスピードで歩道を走行していたところ、左列の先頭を走っていた自転車が、歩道の真ん中に立ち止まって携帯電話を使用していた歩行者を避けきれず追突し負傷させた。

→損害賠償 約55万円(平成15年9月:千葉地裁判決)

 ある講演で、損害保険会社が使用する「日本における自然災害・事故等の30年間の発生確率」の話を聞いたことがあります。

交通事故で負傷  24.0

交通事故で死亡   0.20

ガンで死亡       6.8

心疾患で死亡     3.4

台風で罹災       0.48

火災で罹災       1.9

空き巣被害       3.4

交通事故の確率が突出していることがよくわかります。DVDの「交通ルールは、捕まらないために、罰せられないためにあるのではありません。社会的なルールなのです」というナレーションが印象的でした。

《校長日誌》校長講話:自分の可能性を最大限に伸ばしましょう

 昨日、関東地方が梅雨入りしました。6月1日は全校集会がありました。今回は、18歳選挙権をとおして、自分の可能性を最大限伸ばすようにという話をしました。選挙権の話なので、最初に、校長と生徒・教職員全員でジャンケンをして、「ジャンケンをしなかった人は、面倒くさがり屋さん。選挙を棄権する傾向にありますよ」という話から次のような内容を話しました。、

 国会議員や市町村議会の議員、知事や市町村長を選ぶ「選挙」。今日は選挙権のお話しをします。

現在の日本は、少子高齢化、人口減少社会を迎えています。この傾向は今後急速に進むと思われますが、日本の未来を作り担う存在である10代の人が政治に参画する意識を持つことが大切です。より早く選挙権を持つことにより、社会の担い手であるという意識を若いうちから持って、主体的に政治に関わる若者が増えて欲しいと思います。若者の投票率が低くなると、若者の声は政治に届きにくくなってしまいます。その結果、若者に向けた政策が実現しにくくなったり、実現するのに時間を要する可能性があります。

今までは公職選挙法において満20歳以上の者が選挙権を有するとされていましたが、その選挙権を有する年齢が引き下げられたのです。平成27年6月、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」へ引き下げる改正公職選挙法が国会で可決成立しました。

それまでの「選挙権年齢は20歳以上」というのは、昭和20年に定められたものなので、今回は70年ぶりの大改正となります。現在、191の国や地域のうち、18歳までに選挙権を付与している国はおよそ90%にものぼるので、世界の趨勢に則した改正といえます。この改正により、およそ240万人の18歳、19歳の人が有権者となりますが、それは全有権者のおよそ2%にあたります。実は、若者の投票率は、他の世代よりも低いというデータがあります。平成26年12月に行われた第47回衆議院議員選挙全体の投票率はおよそ52.7%でしたが、20歳代の投票率はおよそ32.6%。投票率の低さは選挙に対する理解不足も要因の一つかもしれません。

 では、どうやって選挙に関する情報を収集したらよいでしょう。候補者や政党の情報を収集する方法としては、テレビ、ラジオの政見放送、選挙公報、街頭演説やインターネットなどがあります。私のおすすめは新聞です。広い新聞紙面に一目で見やすいようにレイアウトされています。また、新聞はそれぞれ主張があるので、複数の新聞を読み比べてみると、いろいろな観点から物事をとらえることができます。今日、皆さんに配付した『選挙権を持つ君へ』では、新聞の読み方のポイントもふれているので、参考にしてください。

臆せずに、自分の基準で判断して投票に行ってほしいということが私の願いです。「誤ったことをしちゃうんじゃないか」とか、「大人に迷惑をかけるんじゃないか」と不安に思っている人が多いと思います。18歳の選択、それを大人が後押ししてあげられる社会にしたいですね。選挙は投票日に投票することが原則ですが、期日前投票の制度があります。投票日に仕事や用務のある人は、期日前であっても投票ができます。

 また、今回の改正で、有権者が18歳未満の子供を連れて投票所に入場できるようになりました。たぶん、皆さんは投票所の中に入ったことはないですよね。皆さんが親になったころには、小学生や中学生の子供を連れて親子で選挙に行くのが当たり前になってくると思います。

今回の公職選挙法改正で、選挙権年齢の引き下げ以外には、選挙運動も18歳からできるようになります。選挙運動とは「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として投票を得、又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされています。

18歳になれば、選挙が公示された日から投票日の前日まで選挙運動ができることになりました。18歳以上の人が、選挙期間中に自分で選挙運動メッセージをホームページやブログに書き込んだり、他人が書いた記事などをLINEなどのSNSで広めることも選挙運動になります。選挙運動や政治活動については、学校においては高校生として学校の規則を守ること、選挙との関係では公職選挙法などの法律を守る必要があります。

選挙運動には禁止されている行為があります。18歳未満の人が行うこと、期間外の選挙運動、戸別訪問、飲食物の提供、署名運動、買収、候補者や政党等以外の者が電子メールを使って選挙運動をしたり、選挙運動用ホームページや電子メールなどをプリントして配ることは禁止されています。

 私は、選挙権を得て32年がたちましたが、実は一度も棄権をしたことはありません。時には論点がよくわからないと思った選挙もありましたが、自分なりに判断して1票を投じてきました。選挙は、自分の意見を政治に反映する機会です。日本で女性が選挙権を得た70年前のことが教科書にも記載されている歴史的な出来事であるように、18歳選挙権の実現は教科書にも載る歴史的な出来事です。
 今日は、18歳選挙権の話をしました。皆さん一人一人には無限の可能性があります。「それ、無理!」と自分で限界を決めずに、選挙に限らず、自分の可能性を最大限に伸ばしましょう。

 翌日の6月2日の読売新聞朝刊の社会面に鳩ヶ谷高校の全校集会のことが紹介されました。若者もしっかりと考えを持っています。自分の可能性を伸ばしてもらいたいと記事を読みながら思いました。

 

 

 

 

 

《校長日誌》15年目の鳩ヶ谷高校朝読書 導入秘話

 今日から鳩ヶ谷高校では1学期中間考査が始りました。早朝から教室で最後の勉強をする生徒を多く見かけました。精一杯頑張ってもらいたいと思います。

 鳩ヶ谷高校では、平成13年4月から朝読書を行っています。もう15年の歴史があります。今日は、導入の経緯について紹介します。

 本校の朝読書は、平成13年1月、読書活動の推進に意欲的であった国語科が中心となって、朝読書の実施を提案したのが始まりです。当時、千葉県の船橋学園女子高校(現在の東葉高校)の林公先生が朝読書の取組をとおして学校を再生させた実践が話題になっていました。また、全国的に「いじめ」の問題や「キレる」生徒への問題への対応が求められ、それを解決するための「心の教育」が重要視されていました。

 このような背景の中、本校においても豊かな心を育み、学ぶ力を身につけさせることを目的に平成13年1月、国語科が中心となって朝読書導入のための実施要項を提案しました。しかし、当時はまだ高校での朝読書は一般的ではなく、クラス担任の負担や日課の問題、生徒が読書をするのかなどの不安、読書に対する考え方の違いなど様々な問題があり、簡単には共通理解を得るには至らなかったようです。

 そこで、生徒や教職員へのアンケート調査を実施して問題点の分析が行われました。また当時、朝読書の先進校であった埼玉県立三郷高校、福島県立石川高校、茨城県立里美高校の3校を国語科や生徒指導部の教員で視察し、各校の取組状況、課題、成果等を分析して職員研修会が行われました。その結果、本校の実状に合った取組が重要であるとの共通理解にいたり、平成13年3月、問題点等を修正しながら再度実施要項の提案が行われました。

 ここでの問題点の修正は、①指導体制の強化 ②読書環境の充実 ③日課の見直し でした。指導体制の強化については、「みんなでやる」の原則を全校一斉の読書ということだけではなく、それを指導する教職員にも適用しました。その結果、担任がホームルームで読書指導を行うと同時に、副担任や学年外の教員も廊下・階段・昇降口・駐輪場での遅刻者対応と担任の読書指導の補助を行うこととしました。読書環境の充実については、図書館との連携と学級文庫の設置を行いました。日課の見直しについては、職員朝会の短縮化を図るとともに、午前8時40分からの朝読書、午前8時50分からSHRとして順序を入れ替えるなどの工夫を取り入れました。また、昼休みが10分遅くなる分については、家庭とも連携を図り、朝食をしっかりと摂らせる指導に切り替えていったそうです。

 このようにして朝読書実施要項が了承され、全校生徒及び全教職員が、平成13年4月から行っています。その時に生まれた子どもたちが、今年度の1年生として入学し、朝読書に取り組んでいます。

《校長日誌》雑草という草はない

 春の大型連休、いわゆるゴールデンウィークが終わりました。春は芽吹きの季節です。4月上旬、ある先生に「一気に春ですね。鳩ヶ谷高校の農場の畑も雑草が一斉に芽吹きました。春の芽吹きはすごいですね。」と話しました。後日、別の先生から「雑草という草はない」という昭和天皇(19011989)の箴言をうかがいました。

 調べてみたら昭和天皇の侍従長をされた入江相政さん(19051985)が、『宮中侍従物語』の中で触れられています。終戦直後の初秋、天皇皇后両陛下が御用邸からご帰京されるので、宮殿の庭に草が茂っていたら見苦しいだろうと、侍従たちが草刈りをしたそうです。しかし、人手が足りずに刈りきれなかったそうです。昭和天皇がお帰りになった時に「どうして草を刈ったのかね」と尋ねられ、入江侍従は「雑草が生い茂っておりましたので、一部お刈りしました。」とお詫びしたそうです。すると昭和天皇は「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考え方で、これを雑草と決め付けてしまうのはいけない。注意するように。」と諭されたそうです。どんな植物にも名前や役割があり、人間の都合で邪険に扱うような呼び方をすべきではないと伝えたかったようで、入江侍従は強烈な印象を受けたそうです。

 人間は思いを伝えるために、言葉を使います。農業の世界では、春に植物が一斉に芽吹くことを「スプリング・フラッシュ」と言うそうです。私は、今回、春の芽吹きの素晴らしさを伝えようと思って、「雑草」という単語を使ってしまい真意を伝えられませんでした。思いを正確に伝えることはなかなか難しいことです。大型連休中には、4月29日の「昭和の日」、5月4日の「みどりの日」がありました。言葉の大切さを昭和天皇の箴言から学びました。

《校長日誌》離任式

 春は出会いと別れの季節です。今日の鳩ヶ谷高校は離任式でした。お世話になった先生方から、いろいろなお話を伺うことができました。アットホームな雰囲気の中、一人一人の先生方が鳩ヶ谷高校の思い出を語ってくれました。当たり前の日常が、その場を離れてみて初めて気づくことがたくさんあるのものです。生徒会長の感謝の言葉、花束贈呈の後、校歌斉唱となりました。ご転出された先生方、大変お世話になりました。ありがとうございました。今後も鳩ヶ谷高校を応援してください。

《校長日誌》熊本地震、お見舞い申し上げます

 4月14日午後9時26分に熊本県で震度7の地震が発生して以来、熊本県を中心に地震が続いています。16日深夜にも大きな地震がありました。被害が拡大しています。心からお見舞い申し上げます。

気象庁は、16日午前1時25分頃に熊本県で震度6強を観測した地震が14日から熊本地方で起きている一連の地震の「本震」だと発表しました。14日からの約150回にわたる地震は前震で、「本震」にあたるこの地震は16倍のエネルギーがあったそうです。

テレビやラジオでは特別番組が続いています。テレビの映像を見ていると、東日本大震災や阪神淡路大震災を思い出し、心が痛みます。鳩ヶ谷高校の「総合的な学習の時間」では防災教育にも取り組んでいます。昨日の放課後、「何かできることがないかな」と話し合っている生徒もいました。「共助」の気持ちがしっかりと育っています。今、自分たちでできることを真剣に考えている若者がたくさんいます。私たち大人も今できることに取り組まなければいけないと思います。