校長日誌

《校長日誌》15年目の鳩ヶ谷高校朝読書 導入秘話

 今日から鳩ヶ谷高校では1学期中間考査が始りました。早朝から教室で最後の勉強をする生徒を多く見かけました。精一杯頑張ってもらいたいと思います。

 鳩ヶ谷高校では、平成13年4月から朝読書を行っています。もう15年の歴史があります。今日は、導入の経緯について紹介します。

 本校の朝読書は、平成13年1月、読書活動の推進に意欲的であった国語科が中心となって、朝読書の実施を提案したのが始まりです。当時、千葉県の船橋学園女子高校(現在の東葉高校)の林公先生が朝読書の取組をとおして学校を再生させた実践が話題になっていました。また、全国的に「いじめ」の問題や「キレる」生徒への問題への対応が求められ、それを解決するための「心の教育」が重要視されていました。

 このような背景の中、本校においても豊かな心を育み、学ぶ力を身につけさせることを目的に平成13年1月、国語科が中心となって朝読書導入のための実施要項を提案しました。しかし、当時はまだ高校での朝読書は一般的ではなく、クラス担任の負担や日課の問題、生徒が読書をするのかなどの不安、読書に対する考え方の違いなど様々な問題があり、簡単には共通理解を得るには至らなかったようです。

 そこで、生徒や教職員へのアンケート調査を実施して問題点の分析が行われました。また当時、朝読書の先進校であった埼玉県立三郷高校、福島県立石川高校、茨城県立里美高校の3校を国語科や生徒指導部の教員で視察し、各校の取組状況、課題、成果等を分析して職員研修会が行われました。その結果、本校の実状に合った取組が重要であるとの共通理解にいたり、平成13年3月、問題点等を修正しながら再度実施要項の提案が行われました。

 ここでの問題点の修正は、①指導体制の強化 ②読書環境の充実 ③日課の見直し でした。指導体制の強化については、「みんなでやる」の原則を全校一斉の読書ということだけではなく、それを指導する教職員にも適用しました。その結果、担任がホームルームで読書指導を行うと同時に、副担任や学年外の教員も廊下・階段・昇降口・駐輪場での遅刻者対応と担任の読書指導の補助を行うこととしました。読書環境の充実については、図書館との連携と学級文庫の設置を行いました。日課の見直しについては、職員朝会の短縮化を図るとともに、午前8時40分からの朝読書、午前8時50分からSHRとして順序を入れ替えるなどの工夫を取り入れました。また、昼休みが10分遅くなる分については、家庭とも連携を図り、朝食をしっかりと摂らせる指導に切り替えていったそうです。

 このようにして朝読書実施要項が了承され、全校生徒及び全教職員が、平成13年4月から行っています。その時に生まれた子どもたちが、今年度の1年生として入学し、朝読書に取り組んでいます。