校長日誌

冬至

 今日は「冬至」です。冬至とは、一年の中で最も昼が短く夜が長い日のことで、この冬至と反対なのが「夏至」です。夏至は一年の中で最も昼が長く夜が短くなります。

 どうして日照時間が短くなるのかと言うと、それは太陽の位置が関係しています。冬至の日は、太陽の昇る高さが一年で最も低くなるので、必然的に日没が早くなるのです。また古代中国では、冬至の日を一年の始まり、太陽の復活の日として暦をつくっていたこともあり、冬至の日はおめでたい日とされてきました。さらに今年は、冬至の日にちょうど月が新月になる日となっています。このように新月と冬至が重なる事を「朔旦冬至」と呼び、月と太陽の両方が復活する日として、非常におめでたい日だとされています。これは19年に1度起きる現象だそうです。また、今年は、旧暦では閏月があったため、十三夜が10月6日(旧暦9月13)のあと、のちの十三夜が11月5日(閏9月13)1843(天保14)年以来171年ぶりにありました。暦的にはおめでたい年でした。

 冬至は、一年でもっとも太陽の力が弱まる日ですが、以後は再び太陽の力が強くなることから「一陽来復」と言って、この日を境に運が上向くとされていました。江戸時代からこの時期に「一陽来復」のお守りを授ける神社もあります。

 江戸時代は、縁起物ついでに、さらに運がよくなるようにと「ん」がつく物を食べていました。これを「運盛り」と言うのですが、特に運盛りに食べられていたものは、れんこん、だいこん、にんじん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うんどん(うどん)です。これらは「ん」が2つ入る物として好んで食べられていたとされています。現在でも、冬至の日にかぼちゃを食べる習慣は残っています。

 冬至と言えばかぼちゃを食べるというのが当たり前のように言われていますが、かぼちゃには「ん」が付いていません。これは、かぼちゃは漢字で書くと「南瓜」となります。すなわち、「なんきん」で「ん」が2つ付いているのです。さらにかぼちゃは本来は夏野菜です。保存が効くので冬まで美味しく食べられるのもそうですが、元は南方から渡ってきた野菜であることから、夏や南は陽の気を持つものとして一年でもっとも陰(太陽の力が弱い日)に陽を多く含む物を食べるという意味もあるそうです。