校長日誌

学びが変わる?!ラーニングピラミッド

 昨日の新聞では、中央教育審議会の答申が大きく報道されていました。現行の大学入試センター試験を廃止し、思考力や表現力を中心に評価する「大学入学希望者学力評価テスト」を導入し、今の小学6年生が高校3年生になる平成32(2020)年に実施される大学入試からの実施を見込むとのことです。また、高校2、3年生を対象にした「高等学校基礎学力テスト」の導入も提言しています。こちらは、平成31(2019)年度からの実施を見込んでいるとのことです。昭和54(1979)年の共通一次試験導入以来の大変革であり、日本の学びのシステムが大きく変わりそうです。

 先日、ある講演で「脳への定着率の違いについて」学びました。現在の大学入試問題は、結果として「記憶する=暗記する」ことに重点が置かれています。例えば、先生の授業を聞いて教えてもらう方法もあれば、参考書を自分で読んで憶える方法もあります。また、同じテーマを記憶する場合でも、活字だけで憶える場合もあれば、イラストや図解で視覚的に憶える方法もあります。どのような方法で学ぶかによって、脳への定着率が異なるそうです。学び方の違いにより、脳への定着率の差を数値化したものが、「ラーニングピラミッド」と言われています。このラーニングピラミッドは、アメリカ国立訓練研究所が発表したもので、学び方の違いによる脳への定着率をピラミッド型で表現したものです。

講義を聴く・・・5%

文章を読む・・・・10

映像で学ぶ・・・・・20

実演・実験機材で学ぶ・・30

グループ討論をする・・・・50

自分で体験する・・・・・・・75

他人に教える・・・・・・・・・90

(数値は脳への定着率)

 このラーニングピラミッドの内容をそのまま解釈するのであれば、講義を受けるだけだと復習をしなければ、記憶に残るのは5%ということです。大切なのは定着率の順番です。自分から能動的にアウトプットするほど定着率が高くなっている点です。討論する、体験する、教えるなど、全て自分が主体的に関わらないとできないことです。

 他人に「教える」という経験をした人ならわかると思いますが、元来、何か他人に「教える」ということは、その情報についてほぼ理解できていないとできない行為です。なかなか他人に「教える」機会がない場合は、バーチャルで「教える」のです。自分一人でも、声を出し、耳で聞いて、自分自身に「教える」と、定着率は確実に高まります。

 そう考えると、埼玉県教育委員会が東京大学と連携して取り組んでいる「協調学習」は、理にかなった学習形態なのです。