壁を乗り越えよう

 東京大学名誉教授の養老孟司氏の『「自分」の壁』(2014年:新潮新書)20万部を突破したそうです。養老孟司氏は、400万部を超える大ベストセラー『バカの壁』(2003年:新潮新書)の著者です。その後、『死の壁』(2004年:新潮新書)、『超バカの壁』(2006年:新潮新書)を刊行し、今回は口述筆記した壁シリーズの完結編のようです。「本当の自分」を探すよりも、「本物の自信」を育てる方がよく、脳、人生、医療、死、情報、仕事などのテーマについて、頭の中にある「壁」を超えたとき、新たな思想の次元が見えてくるそうです。自分で壁を作らず、何事にも、迷い、挑戦し、失敗を繰り返すことで「自信」が生まれてくるとのことです。

鳩ヶ谷高校では今日から2学期が始まりました。始業式では、自分の高校時代の体験をもとに、「壁を乗り越えよう」という次にような話をしました。

私は、高校の時に山岳部に所属していました。1年生の時に、夏合宿5泊6日で北アルプスに行きました。標高3180メートルの槍ヶ岳が最終目的地です。東京の上野駅から夜行列車に乗り、富山県から北アルプスに入山したとき、先輩があれが槍ヶ岳だと指差しました。自分の目測だと5センチです。自分の背中の荷物は30キロです。ふと、「生きて帰れないかな」と15歳の自分は思いました。 5日後、槍ヶ岳の頂上に立てた感動を今でも覚えています。

「壁を乗り越えよう」。人生は、毎日、大きな壁、小さな壁の連続です。逃げずに乗り越えましょう。今日、始業式のために学校に来たのも、壁を乗り越えているのです。解剖学者の養老孟司さんは、「人間の脳は、つい楽をしようとする。しかし、自分がどこまでならできるのかを認識することが大切だ。そのためには、迷い、挑戦し、失敗を繰り返すことが大切だ。そうやって育てた感覚が「自信」となるのだ」と言っています。実は、壁だと認識した時、その壁の半分は超えているのです。今から考えると、高校1年生の自分が大きな壁と感じた標高3180メートルの槍ヶ岳は、登山口の1356メートル地点までバスで来ていました。壁があることは何かにチャレンジしている証拠です。皆さんには限りない可能性があります。自分を信じましょう。

鳩ヶ谷高校では、2学期は、文化祭・ロードレース大会・修学旅行など、大きな行事が続きます。3年生は進路決定の時期です。皆さん、力をあわせて壁を乗り越えましょう。