2014年11月の記事一覧

防災講演会

 昨日は、本校で防災講演会を実施しました。7月に生徒27人と教員5人で宮城県女川町へ行き、被災地ボランティア活動を行いましたが、その活動を全校生徒で共有する取組です。被災地ボランティア参加者による発表と現地でガイドをしていただいた野中宏美さんの講演会を行いました。

 野中宏美さんは、神奈川県出身の看護師です。東日本大震災後に宮城県石巻市でボランティア活動をされ、その後、石巻市へ転居されました。昨年度も本校の被災地ボランティアの現地ガイドをされており、被災地ボランティアに参加した生徒は久しぶりの再会に懐かしさを感じていました。

 生徒による発表は、説得力のある語り口でとてもわかりやすかったです。やはり、体験に勝る説得力はないと思いました。また、野中さんの話では、①当たり前のことに感謝 ②自分のことは自分で守る ③見返りは求めない ④今を大切に生きる など、ボランティア活動の矜持を学ばせていただきました。東日本大震災から3年8か月が過ぎましたが、あの時の気持ちを忘れないようにしたいものです。

感動の隣には常に「やり過ぎ」がある

 先日、新任校長研修会で、埼玉県経営者協会の根岸茂文専務理事の講演を拝聴しました。いい話がたくさんありましたが、今回はその中の一つを紹介します。出典は『やり過ぎる力』(朝比奈一郎:ディスカヴァー212013)です。
 朝比奈一郎氏は、元経済産業省のキャリア官僚であり、在職中にNPO法人プロジェクトK(新しい霞が関を創る若手の会)代表として、現在、青山社中株式会社筆頭代表、中央大学客員教授などで活躍されています。

 泣き叫ぶ赤ん坊を抱えた若い母親が、バスに乗車して間もなくのバス停で降りようとした時、バスの運転手が「ここが本来の目的地ですか?」と聞きました。通例であれば余計なお世話に近い「やり過ぎ」な行為です。若い母親は、「本当は新宿駅まで乗りたいのですが、子供が泣き叫ぶもので」と答えました。その時、運転手はおもむろに車内アナウンスを開始し、「皆さん、この若いお母さんは新宿まで行くそうなのですが、赤ちゃんが泣いて皆さんにご迷惑がかかるのでここで降りると言っています。子供は小さい時には泣きます。赤ちゃんは泣くのが仕事です。どうぞ皆さん、少しの間、赤ちゃんとお母さんを一緒に乗せてあげてください」と言いました。車内からは自然と拍手が沸き起こったそうです。

 前例やマニュアル外の「やり過ぎ」が感動をよぶ一例です。やろうとすれば誰でもできる”やりすぎ”の事例です。人生を躍動にみちたワクワク感で包むためには「やり過ぎ」は必要不可欠です。前例や常識にとらわれない力、それらを打ち破る力こそ、「やり過ぎる力」の本質です。

 日本近現代の歴史でも大変革を迎えた時期、明治維新、戦後混乱期などは、20代、30代の若い世代の人々が世の中を大きく変えました。慣習やマニュアルは経験に基づいた集大成だと思いますが、それだけに縛られすぎてしまうと本質を見失ってしまうと思います。


チョークがなくなる

 明治の昔から、学校教育と言えば黒板とチョークが必需品でした。「羽衣チョーク」という知る人ぞ知るチョークのトップブランドがあります。その品質は世界水準です。しかし、羽衣文具株式会社(本社:愛知県春日井市)が平成27年3月に廃業することが発表されました。少子化と教育環境の変化による需要の減少、後継者不在、社長の体調不良が原因だそうです。

 20年くらい前までは、各駅に伝言板がありました。駅での待ち合わせで連絡したいことを書くために黒板が設置されていました。羽衣チョークは、雨や水に濡れても字が消えない「レインチョーク」など独自の技術を持っていました。また、業界初の「蛍光チョーク」を開発するなど、パイオニア的存在でした。前回、英国オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・オズボーン准教授が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来-コンピュータ化によって仕事は失われるか-』という論文を紹介しましたが、コンピュータ化だけでなく、少子化などによって影響を受ける企業もあります。何事もアンテナを高くして情報をキャッチし、分析する必要があります。

小学生の65%が今ない職業につく?!

 昨日の鳩ヶ谷高校は、1年生が校外学習、2年生が修学旅行、3年生が遠足と、生徒が校外で活動していました。1年生は先日来館者が80万人を達成した川口市にあるSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザで来年度の修学旅行に向けた視聴覚教材を視聴しました。2年生の修学旅行は長崎・島原方面は天候にも恵まれ、民泊1日目も順調です。3年生は長瀞に遠足に行きました。長瀞は曇り空だっだようですが、学校に戻ってきたときは予想外の冷たい雨で、生徒の帰宅は大変でした。
 
 「子供たちが大人になる頃、その65%はまだ存在していない職業に就く」

 米国のデューク大学のキャッシー・デビットソン教授が2011年にニューヨークタイムズのインタビューで、「2011年度に米国の小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今存在していない職業につくだろう」と語り、大きな波紋を呼びました。なぜ、65%という数字が出てきたのか、それは雇用の前提となる専門性の変化が常態化し、職業が安定した存在でなくなることは間違いないだろうと考えられるからだといいます。

 最近では英国のオックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・オズボーン准教授が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来-コンピュータ化によって仕事は失われるか-』という論文が、世界中で話題になっています。702の職種について、コンピュータにとって代わられる確率を試算し、これからなくなる仕事を示しており、衝撃を与えました。それによると、銀行の融資担当者、スポーツの審判、不動産ブローカー、レジ係、ホテルの受付係、時計修理工などがあげられており、これらコンピュータに代わられる確率はいずれも90%以上だということです。教育でも無料でオンライン講義を受けられるシステムが急成長し、従来の教室での知識伝達型だけの一斉授業方式では消滅してしまう可能性があるとのことです。

 1982年にCDが発売されたとき、私はレコードがなくなることはないだろうと思っていましたが、レコードは過去のものとなってしまい、CDもその存在感を失いつつあります。レンタルビデオ店は、ビデオ・DVD・CDのレンタル利用者がまだたくさんいましたが、インターネットを利用した高速データ通信の普及によって、今ではオンライン上でのオンデマンド配信に代わりつつあります。「不易と流行」という言葉がありますが、しなやかに対応できる柔軟性が大切なのでしょう。


「普通」ということ

 今日、本校の5年次教員の研究授業がありました。数学の教員で、「数学Ⅰ」におけるデータの分析の授業でした。プロ野球読売ジャイアンツ所属選手の年俸を題材に、平均値、中央値、最頻値を求めさせる授業でした。パソコンや電卓で簡単に計算できる現代だからこそ、数値の根拠についてしっかりと考えさせることは大切だと実感しました。同時に、公民科のベテラン教員の「現代社会」の授業で、生徒に調べさせ、小グループで討論させ、意見をまとめる「協調学習」の授業をみました。3年生の生徒が積極的に意見交換をしていました。

 教育改革が叫ばれて久しいです。ふと、『崖っぷち弱小大学物語』(杉山幸丸著・中公新書ラクレ・2004年)を思い出しました。京都大学から中京地区の私立大学新設学部の立ち上げに奮闘した4年間の記録が本書です。いわゆる研究中心大学(授業はほとんどなく院生の面倒をみる程度)から本人いうところの崖っぷち弱小大学に異動したところから話は始ります。現在、大学全体の3分の2以上が崖っぷち弱小大学に分類されるそうです。

 「私は長年大学に所属し、自然科学の研究に従事し、多少は世界の同業者にも求められる成果を挙げてきた。そして現職に移った。そして感じたこと。それは、私のこれまでのキャリアなどは学生達にとって何の値打ちもないということであった。私にとって大事なのは、どうやって学生達にやる気を起こさせるかである。知識が増えることは、勉強する事の苦しさを乗り越えることは、単位を取るということ以上に大きな喜びにつながるすばらしい気分が味わえる事なのだと、頭と体でわからせることである。自然や社会で起きているさまざまな現象間に、相互の関連があると気づかせること。現象の表面だけでなく、その流れや周囲の環境を見ることによって理解が深まる事。何かに集中して一つのことをまとめあげる快感は、そこに達するまでの苦労を吹き飛ばすほど大きい事…」

 大学教育と高校教育は異なりますが、私は、学校教育に必要なのは、いわゆる「評論家」ではなく「実践家」が必要だと思っています。学部長として招かれた著者は、これまでとあまりに違う学生の状況に接して、どうしたものか悩み続けました。そして次のような結論に達したのです。「普通の人間が普通の社会で普通の人生を送れるように育てよう。普通の若者が元気を出せるような教育をしよう」と。

世界平和記念日

 去る11月7日は立冬であり、暦の上ではもう冬です。今日は冬を感じさせる寒さです。2年生も修学旅行まであと1週間ほどとなりました。
 今日、1111日は、世界平和記念日です。今日は、第一次世界大戦(19141918)において、ドイツと連合国との休戦協定が19181111日に締結されたのです。今年2014年は、第一次世界大戦開戦100周年にあたります。20世紀は「戦争の世紀」と言われますが、わずか100年前でした。

 日本にとって「戦争」といえば第二次世界大戦のイメージが強いですが、ヨーロッパにおける第一次世界大戦の歴史的位置づけは第二次世界大戦と同じくらい大きいものです。英国ではGreat Warと言えば第一次世界大戦であり、今日1111日は、Armistice Dayと言われ、毎年赤いポピーを胸につけ、追悼式典が開催されます。

 高校世界史において第一次世界大戦は、「総力戦」の出現、戦車、飛行機などの新たな武器の出現、膨大な戦没者、ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー二重帝国、オスマン・トルコ帝国、ロシア帝国の滅亡など、その後の世界史に大きな影響を与える出来事が起きており、ターニングポイント(転換点)の一つです。しかし、第一次世界大戦の終結からわずか21年後に、第二次世界大戦(19391945)が勃発してしまいます。いつの時代でも、私たちは歴史に学ぶ謙虚さが必要です。