校長日誌

2015年2月の記事一覧

【校長日誌】クエストカップ2015全国大会に出場!

 去る2月21日(土)に本校でも実践しているクエストエデュケーションの全国大会であるクエストカップ2015全国大会が開催され、鳩ヶ谷高等学校からも1チームが出場しました。私は、6月の授業、1月の校内プレゼンテーション大会、今回の全国大会と見学しましたが、生徒の成長力に驚きました。目標に向かって成長する若い姿は、無限の可能性を秘めています。

 全国大会は、法政大学市ヶ谷キャンパスが会場でした。全国から選抜された公立高校、私立高校、私立中高一貫校が集い、企業のミッションに基づきプレゼンテーションを行いました。審査は、該当企業の方が直接行います。鳩ヶ谷高等学校は、スカパーJSAT株式会社のミッション「世界初!キミたちの’原体験’を生かした新しい宇宙ビジネスを提案せよ!」に基づき、「新感覚!宇宙ゲーム」に宇宙ゴミ消滅隊のチーム名で出場しました。宇宙空間に漂うロケットなどの残骸である宇宙ゴミ(スペースデブリ)をスカパーJSAT株式会社が運用している人工衛星を活用してゲーム感覚で消滅させる壮大な企画です。セカンドステージには進出できませんでしたが、素晴らしい出来映えでした。生徒諸君とともに、指導した先生方にも感謝します。

 いよいよ、埼玉県も県公立高校入学者選抜が始まります。3月2日が学力検査です。受検生には、最後の最後まで、自分自身を信じて頑張ってもらいたいです。


【校長日誌】今日は大晦日です

 今日と明日、埼玉県公立高等学校入学者選抜の入学願書出願日です。いよいよ県公立高校入試がスタートします。鳩ヶ谷高校を目指す受検生だけでなく、全ての受検生が最後まであきらめずに頑張ってくれることを祈っています。

 今、手元に高校日本史の教科書である『詳説日本史B』(山川出版社)があります。そこに、「1872(明治5)12月には、西洋諸国の例にならって暦法を改め、旧暦(太陰太陽暦)を廃して太陽暦を採用し、1日を24時間とし、のちには日曜日を休日とするなど、長いあいだの行事や慣習が改められた。(旧暦による明治5年12月3日を、太陽暦による明治6年1月1日とした。)」と記載されています。

 実は、明日、2月19日は旧正月です。旧暦の元日です。太陰暦では、月の最後の日は三十日(みそか)(または二十九日)であったことから、「みそか」は月末を表す言葉となり、1年最後の晦日なので「大晦日」と言われています。皆さんも、今年の元日に志を立てたと思います。もし、今年の志が挫折気味であったとしたら、明日の旧正月に新たに志を立てて頑張ってみましょう。希望をしっかりと持っていれば、人生、いくらでも立て直しができます!

【校長日誌】園芸デザイン科卒業作品展

 昨日、川口市立グリーンセンターで開催されている園芸デザイン科の卒業作品展に行ってきました。センター内の緑のアトリエ館を借り切って、「花と緑の園芸作品展」を兼ねて開催しています。25年前の第1回は川口リリアで行いましたが、第2回以降はグリーンセンターで開催しています。私も初めて見ましたが、昨年から準備を進めてきた3年生にとっては、高校生活の集大成であり、力作ばかりでした。

 園芸デザイン科は、本校開校の昭和63(1988)年に全国で初めて設置された農業系の専門学科であり、生活空間や都市環境を豊かで住み良い快適な空間に創造するための知識と技術を学んでいます。1年生で園芸やデザインの基礎を学び、2・3年生では。フラワーデザイン・グリーンデザイン・ガーデンデザインの3専攻に分かれ専門的に学習しています。「川口市はたちの集い」や「商工まつり」など地域のイベントにも積極的に参加し、園芸デザイン科の取組を多くの方々に紹介しています。今後も園芸デザイン科のパイオニアとして、さらなる高みを目指していきます。

 この卒業作品展は、本日まで開催しています。個性豊かな第25期生の努力と成果の結晶である作品を御覧いただければ幸いです。

留学生が先生

 今日の鳩ヶ谷高校は、今朝積雪が予想されていたので2時間遅れの始業です。私も出勤途中に路面が凍結していたため、自転車を運転しながらヒヤリとしてしましました。校内でも日陰が路面凍結しており、融雪剤を散布して生徒の登校に備えました。事故もなく登校しています。

 昨日は、1年生の「総合的な学習の時間」において、恒例の「留学生が先生」を行いました。公益財団法人国際理解支援協会の御協力をいただき、雪の中、今年度も12名の外国人留学生に来校してもらいました。アジアからは中国・韓国・スリランカ・キルギス、ヨーロッパからはスペイン、アフリカからはエジプト、南アメリカからはブラジルとワールドワイドな鳩ヶ谷高校になりました。最初に、私は留学生の皆さんに緊張しながら挨拶しましたが、皆さん日本語が上手で逆に恐縮してしましました。

 その後、鳩高生よりも少し先輩の留学生の皆さんに8教室にわかれていただき、「日本を留学先に選んだ理由」「そのために努力したこと」「今学んでいる学問」「それ生かした将来の夢」「日本に来て驚いたこと」などを熱く語っていただきました。生徒にとってはワクワクドキドキの時間だったようです。

 御協力をいただいた公益財団法人国際理解支援協会に改めで厚く御礼申し上げます。

蜘蛛の糸

 芥川龍之介の短編小説「蜘蛛の糸」の話を読んだことありますか。6ページほどの短編なので朝読書の10分間で読み終えてしまう内容です。1年生は「国語総合」で、芥川龍之介の『羅生門』を勉強したので、知っている人も多いと思います。彼は1927(昭和2)年に35歳で「将来に対するぼんやりとした不安」から自殺をしてしまいます。

 「蜘蛛の糸」の話の概要です。ある朝、極楽にいるお釈迦様は、散歩をしていて、蓮の池をのぞき込みました。そこは地獄に通じていました。カンダタという極悪非道の悪人が、生前の償いで地獄に落とされていたそうです。極楽でそれを見たお釈迦様が、カンダタも人生の中でただ一つだけ良いことをしたのを思い出しました。踏み殺そうとした蜘蛛を見逃してやったのです。お釈迦様は、その行いに報いるため、カンダタを地獄から救い出してやろうと蜘蛛の糸を垂らします。それに気付いたカンダタは、天井に向かい必死にその細い糸を昇りますが、中ほどまで昇ったところで、他の罪人たちも気が付き、次から次に昇ってきたそうです。カンダタは罪人たちに向かって「下りろ」と叫びます。その途端、蜘蛛の糸がカンダタのぶら下がっているところからぷつりと切れました。お釈迦様はカンダタの無慈悲な心を悲しんだそうです。極楽はお昼になっていました。

 蜘蛛一匹を助けたことでお釈迦様の目にとまったのであれば、逆に、蚊や蝿、蟻やゴキブリなどを何らかの殺生(生き物を殺すこと)をしたことのある私たちの日常は、地獄からのスタートかもしれません。人間は、善いことを行いながら知らず知らずに悪いことも行い、悪いことを行いながら、知らず知らずに善い行いもする。でも、意識して、善い行いを積み重ねましょう。善行のススメです。

 あなたの目の前にもあなたの蜘蛛の糸は存在します。自分の経験でも、不思議と他人の蜘蛛の糸は見える気がします。そして、目の前に垂れた自分の蜘蛛の糸に気付かない人が何と多いことか。「世の中が悪い」などと愚痴を言って、定員オーバーの他人の蜘蛛に糸をうらやんでも何も始まりません。必ず垂れている自分の糸を探し求めなさいというススメです。

 では、自分の糸を探すためにはどうしたらよいか。まずは、「情けは人のため為らず」です。どのような意味か考えましょう。他人に対して情けをかけておけば、巡り巡っていつかは自分に良い報いが帰ってくるという意味で使います。「自己責任」という言葉がとびかう殺伐とした現代では、「甘い」と言われるかもしれません。大人も45%が勘違いしています。45%の大人は自分の蜘蛛の糸に気が付きません。思い込みは禁物です。何事も確認せよというススメです。