2015年9月の記事一覧

《校長日誌》いか・の・お・す・し

 先月、大阪府寝屋川市の中学1年生2名が殺害されるという痛ましい事件が発生しました。夏休み中ということもあり、社会は不安につつまれました。また、本校周辺でも時々不審者出没の情報もあり、警察に通報して連携するとともに、速やかに生徒諸君にも注意を喚起しています。

 先日、テレビを見ていたら、NPO法人体験型安全教育支援機構の 清水 奈穂 代表理事が出演していました。犯罪や地震・交通などの子供・女性・高齢者などを取り巻く危険を察知し、回避するための方法を教育・普及することを目的とするNPO法人の代表者です。

 「不審者」に出会った時の5つの心得があるそうです。

(ついて)「いか」ない

(車に)「」らない

」お声を出す

」ぐに逃げる

何かあったらすぐ「」らせる

だそうです。

 頭ではわかっていても、「あとをつけられた」「声をかけられた」「じっと見られた」・・・そんな時、立ちすくんでしまうことが大人でもあります。子供だけでなく大人も日頃から、危機を乗り越える力を身に付けることも大切だと思います。

《校長日誌》第27回鳩高祭

 本日、明日は第27回鳩高祭です。今年のテーマは「イントュザポッポ ~おとぎの森へ~」です。私は、このテーマからディズニーランドのようなワクワク感を感じました。オープニングセレモニーでは、次のような話をしました。

 文化祭成功の秘訣を教えましょう。それは、まず、皆さん一人一人が鳩高ファンになること。そして、他の人にも鳩高ファンになってもらえるようにしましょう。仲間内だけで盛り上がっていては鳩高ファンは増えません。去年は1800人の来校者がありました。ルールをしっかりと守り、ホスピタリティ(hospitality)、おもてなしの心を持って来校者の方に接してください。一人でも多くの鳩高ファンをつくりましょう。昨年の後夜祭のように「鳩高、最高」と叫べるような鳩高祭にしましょう。

 一般公開は、9月5日(土)午前10時から午後3時30分(最終入場午後3時)です。是非、ご来校ください。

《校長日誌》日本のいちばん長い日

 今日から、2学期が始まりました。今年は暦の関係で45日間の夏休みとなりました。今日の始業式では、戦後70年に関連して、鳩ヶ谷高校の地にあったNHK鳩ヶ谷放送所の終戦秘話を紹介しながら、「18歳で選挙権を得る皆さんには、歴史に学び、思考停止をしない大人になってもらいたい」という話をしました。

 始業式後の表彰式では、写真部の第39回全国高等学校総合文化祭滋賀大会における 3年生女子の奨励賞、弓道部の第27回川口市民選手権大会における遠的男子1位、遠的女子第3位、近的女子第3位、吹奏楽部の第56回埼玉県吹奏楽コンクール地区大会高等学校Bの部 銅賞 の表彰を行いました。また、男子バドミントン部の男子ペアが激戦の南部地区を勝ち抜き、県大会に出場することになりました。夏休み中にいろいろと頑張った結果が出ているようです。

 今回は始業式の内容を紹介します。

今年の夏は、日本が太平洋戦争に敗戦して戦後70年の節目の年でした。今日は、終戦の10日後にこの鳩ヶ谷高校の地で起きた事件をとおして、思考停止をしない大人になってもらいたいというお話しをします。

 皆さんは、終戦記念日を知っていますか。昭和20年8月15日です。今夏、「日本のいちばん長い日」という映画が公開されました。「日本のいちばん長い日」は、戦後20年目の1965年に出版されたノンフィクションが原作です。2年後に映画化され、今年、48年ぶりにリメイク版が上映されました。昭和天皇の御前会議で太平洋戦争の降伏を決定した昭和20年8月14日から、陸軍のクーデター事件発生と鎮圧、国民に対するラジオ放送で昭和天皇がポツダム宣言受諾を伝える8月15日正午までの24時間を描いている映画です。

 日本のラジオ放送は1925年に日本放送協会(NHK)によって東京で始まりました。NHKは東京の放送を関東一円に届けるために、1937年に川口市と鳩ヶ谷町に放送所を開設し、川口に312m(東京タワー完成までは日本一の高層物)、鳩ヶ谷に206mの鉄塔を建設しました。この鳩ヶ谷高校のある場所は、実はNHKの鳩ヶ谷放送所の跡地です。1983年に放送所が埼玉県久喜市へ移転しました。川口放送所の跡地が川口総合高校の隣にあるSKIPシティであり、鳩ヶ谷放送所の跡地に鳩ヶ谷高校が開校したのは1988年です。

 終戦から10日後の昭和20年8月25日午前5時、降伏を認めない陸軍将校に指揮された皆さんと同い年の16歳から18歳の陸軍予科士官学校学生67名が川口放送所と鳩ヶ谷放送所を占拠し、NHK放送で戦争継続を訴えようとしました。結局、放送は実現しませんでした。東京から8月14日のクーデター事件を鎮圧した 田中 静壱 東部軍司令官が鎮圧のために直接この鳩ヶ谷へ到着したため、午後4時に反乱者は降伏し、首謀者は逮捕されました。この事件により9時間にわたり放送が停止しました。また、田中司令官は鎮圧を見届けてから東京へ戻り、この日の夜に自決しています。

 歴史に「もし」というのは禁物ですが、「もし、戦争継続の放送がされていたら・・・」、日本の終戦直後の混乱は一段と大きなものになっていたでしょう。この鳩ヶ谷高校の地を舞台に終戦をめぐるドラマがあったのです。

 現在の日本は平和な時代です。今年の6月17日に公職選挙法が改正され、選挙権年齢が18歳に引き下げられました。昭和20年に選挙権が25歳から20歳に引き下げられてから70年ぶりの改正です。来年の夏に行われる参議院選挙では、現在の3年生全員と参議院選挙の時に18歳になった現在の2年生の一部の者が新たに選挙権を得ることになります。

 20世紀の英国の外交官であり歴史家であったE・H・カー(18921982)は、「歴史とは現在と過去の対話である」と言っています。どんな制度も時間がたつと老朽化します。選挙権は長い歴史の中で手に確立した権利です。皆さんには、歴史に学び、思考停止をしないで、しっかりとしたバランス感覚を持った大人になってもらいたいと思います。