2016年5月の記事一覧

《校長日誌》15年目の鳩ヶ谷高校朝読書 導入秘話

 今日から鳩ヶ谷高校では1学期中間考査が始りました。早朝から教室で最後の勉強をする生徒を多く見かけました。精一杯頑張ってもらいたいと思います。

 鳩ヶ谷高校では、平成13年4月から朝読書を行っています。もう15年の歴史があります。今日は、導入の経緯について紹介します。

 本校の朝読書は、平成13年1月、読書活動の推進に意欲的であった国語科が中心となって、朝読書の実施を提案したのが始まりです。当時、千葉県の船橋学園女子高校(現在の東葉高校)の林公先生が朝読書の取組をとおして学校を再生させた実践が話題になっていました。また、全国的に「いじめ」の問題や「キレる」生徒への問題への対応が求められ、それを解決するための「心の教育」が重要視されていました。

 このような背景の中、本校においても豊かな心を育み、学ぶ力を身につけさせることを目的に平成13年1月、国語科が中心となって朝読書導入のための実施要項を提案しました。しかし、当時はまだ高校での朝読書は一般的ではなく、クラス担任の負担や日課の問題、生徒が読書をするのかなどの不安、読書に対する考え方の違いなど様々な問題があり、簡単には共通理解を得るには至らなかったようです。

 そこで、生徒や教職員へのアンケート調査を実施して問題点の分析が行われました。また当時、朝読書の先進校であった埼玉県立三郷高校、福島県立石川高校、茨城県立里美高校の3校を国語科や生徒指導部の教員で視察し、各校の取組状況、課題、成果等を分析して職員研修会が行われました。その結果、本校の実状に合った取組が重要であるとの共通理解にいたり、平成13年3月、問題点等を修正しながら再度実施要項の提案が行われました。

 ここでの問題点の修正は、①指導体制の強化 ②読書環境の充実 ③日課の見直し でした。指導体制の強化については、「みんなでやる」の原則を全校一斉の読書ということだけではなく、それを指導する教職員にも適用しました。その結果、担任がホームルームで読書指導を行うと同時に、副担任や学年外の教員も廊下・階段・昇降口・駐輪場での遅刻者対応と担任の読書指導の補助を行うこととしました。読書環境の充実については、図書館との連携と学級文庫の設置を行いました。日課の見直しについては、職員朝会の短縮化を図るとともに、午前8時40分からの朝読書、午前8時50分からSHRとして順序を入れ替えるなどの工夫を取り入れました。また、昼休みが10分遅くなる分については、家庭とも連携を図り、朝食をしっかりと摂らせる指導に切り替えていったそうです。

 このようにして朝読書実施要項が了承され、全校生徒及び全教職員が、平成13年4月から行っています。その時に生まれた子どもたちが、今年度の1年生として入学し、朝読書に取り組んでいます。

《校長日誌》雑草という草はない

 春の大型連休、いわゆるゴールデンウィークが終わりました。春は芽吹きの季節です。4月上旬、ある先生に「一気に春ですね。鳩ヶ谷高校の農場の畑も雑草が一斉に芽吹きました。春の芽吹きはすごいですね。」と話しました。後日、別の先生から「雑草という草はない」という昭和天皇(19011989)の箴言をうかがいました。

 調べてみたら昭和天皇の侍従長をされた入江相政さん(19051985)が、『宮中侍従物語』の中で触れられています。終戦直後の初秋、天皇皇后両陛下が御用邸からご帰京されるので、宮殿の庭に草が茂っていたら見苦しいだろうと、侍従たちが草刈りをしたそうです。しかし、人手が足りずに刈りきれなかったそうです。昭和天皇がお帰りになった時に「どうして草を刈ったのかね」と尋ねられ、入江侍従は「雑草が生い茂っておりましたので、一部お刈りしました。」とお詫びしたそうです。すると昭和天皇は「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考え方で、これを雑草と決め付けてしまうのはいけない。注意するように。」と諭されたそうです。どんな植物にも名前や役割があり、人間の都合で邪険に扱うような呼び方をすべきではないと伝えたかったようで、入江侍従は強烈な印象を受けたそうです。

 人間は思いを伝えるために、言葉を使います。農業の世界では、春に植物が一斉に芽吹くことを「スプリング・フラッシュ」と言うそうです。私は、今回、春の芽吹きの素晴らしさを伝えようと思って、「雑草」という単語を使ってしまい真意を伝えられませんでした。思いを正確に伝えることはなかなか難しいことです。大型連休中には、4月29日の「昭和の日」、5月4日の「みどりの日」がありました。言葉の大切さを昭和天皇の箴言から学びました。

《校長日誌》離任式

 春は出会いと別れの季節です。今日の鳩ヶ谷高校は離任式でした。お世話になった先生方から、いろいろなお話を伺うことができました。アットホームな雰囲気の中、一人一人の先生方が鳩ヶ谷高校の思い出を語ってくれました。当たり前の日常が、その場を離れてみて初めて気づくことがたくさんあるのものです。生徒会長の感謝の言葉、花束贈呈の後、校歌斉唱となりました。ご転出された先生方、大変お世話になりました。ありがとうございました。今後も鳩ヶ谷高校を応援してください。