2016年6月の記事一覧

《校長日誌》自転車だって加害者に・・・交通安全教室

6月10日は武南警察署と川口市交通安全課の御協力をいただいて、交通安全教室を開催しました。川口市交通安全課の担当者からの解説、DVDの視聴、武南警察署員の方からの講評をいただきました。現代日本は交通社社会ですが、自転車と歩行者の交通事故では自転車運転者に賠償責任も発生します。

○ 日没後にスピードを出しながら歩道を自転車で走行。見通しのよい歩道上であったが、右方向に気を取られ前方不注意でいたため、歩行者の発見が遅れて衝突。歩行者は脳挫傷の傷害を負い、高次脳機能障害が残った。

→損害賠償 約6000万円(平成23年7月:大阪地裁判決)

○ 日没後、男子中学生(15)が自転車通行可の歩道の中央辺りを無灯火で通行中、前方の交差点の信号が青だったことから、信号が変わらないうちに横断しようと加速して進行した直後、対面通行してくる歩行者に気づいたが、ブレーキをかける間もなく正面衝突して転倒させ、歩行者は死亡した。

→損害賠償 約3000万円(平成19年7月:大阪地裁判決)

○ 高校の男子野球部員5,6人が部活動後、自転車に乗り縦に2列になってかなりのスピードで歩道を走行していたところ、左列の先頭を走っていた自転車が、歩道の真ん中に立ち止まって携帯電話を使用していた歩行者を避けきれず追突し負傷させた。

→損害賠償 約55万円(平成15年9月:千葉地裁判決)

 ある講演で、損害保険会社が使用する「日本における自然災害・事故等の30年間の発生確率」の話を聞いたことがあります。

交通事故で負傷  24.0

交通事故で死亡   0.20

ガンで死亡       6.8

心疾患で死亡     3.4

台風で罹災       0.48

火災で罹災       1.9

空き巣被害       3.4

交通事故の確率が突出していることがよくわかります。DVDの「交通ルールは、捕まらないために、罰せられないためにあるのではありません。社会的なルールなのです」というナレーションが印象的でした。

《校長日誌》校長講話:自分の可能性を最大限に伸ばしましょう

 昨日、関東地方が梅雨入りしました。6月1日は全校集会がありました。今回は、18歳選挙権をとおして、自分の可能性を最大限伸ばすようにという話をしました。選挙権の話なので、最初に、校長と生徒・教職員全員でジャンケンをして、「ジャンケンをしなかった人は、面倒くさがり屋さん。選挙を棄権する傾向にありますよ」という話から次のような内容を話しました。、

 国会議員や市町村議会の議員、知事や市町村長を選ぶ「選挙」。今日は選挙権のお話しをします。

現在の日本は、少子高齢化、人口減少社会を迎えています。この傾向は今後急速に進むと思われますが、日本の未来を作り担う存在である10代の人が政治に参画する意識を持つことが大切です。より早く選挙権を持つことにより、社会の担い手であるという意識を若いうちから持って、主体的に政治に関わる若者が増えて欲しいと思います。若者の投票率が低くなると、若者の声は政治に届きにくくなってしまいます。その結果、若者に向けた政策が実現しにくくなったり、実現するのに時間を要する可能性があります。

今までは公職選挙法において満20歳以上の者が選挙権を有するとされていましたが、その選挙権を有する年齢が引き下げられたのです。平成27年6月、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」へ引き下げる改正公職選挙法が国会で可決成立しました。

それまでの「選挙権年齢は20歳以上」というのは、昭和20年に定められたものなので、今回は70年ぶりの大改正となります。現在、191の国や地域のうち、18歳までに選挙権を付与している国はおよそ90%にものぼるので、世界の趨勢に則した改正といえます。この改正により、およそ240万人の18歳、19歳の人が有権者となりますが、それは全有権者のおよそ2%にあたります。実は、若者の投票率は、他の世代よりも低いというデータがあります。平成26年12月に行われた第47回衆議院議員選挙全体の投票率はおよそ52.7%でしたが、20歳代の投票率はおよそ32.6%。投票率の低さは選挙に対する理解不足も要因の一つかもしれません。

 では、どうやって選挙に関する情報を収集したらよいでしょう。候補者や政党の情報を収集する方法としては、テレビ、ラジオの政見放送、選挙公報、街頭演説やインターネットなどがあります。私のおすすめは新聞です。広い新聞紙面に一目で見やすいようにレイアウトされています。また、新聞はそれぞれ主張があるので、複数の新聞を読み比べてみると、いろいろな観点から物事をとらえることができます。今日、皆さんに配付した『選挙権を持つ君へ』では、新聞の読み方のポイントもふれているので、参考にしてください。

臆せずに、自分の基準で判断して投票に行ってほしいということが私の願いです。「誤ったことをしちゃうんじゃないか」とか、「大人に迷惑をかけるんじゃないか」と不安に思っている人が多いと思います。18歳の選択、それを大人が後押ししてあげられる社会にしたいですね。選挙は投票日に投票することが原則ですが、期日前投票の制度があります。投票日に仕事や用務のある人は、期日前であっても投票ができます。

 また、今回の改正で、有権者が18歳未満の子供を連れて投票所に入場できるようになりました。たぶん、皆さんは投票所の中に入ったことはないですよね。皆さんが親になったころには、小学生や中学生の子供を連れて親子で選挙に行くのが当たり前になってくると思います。

今回の公職選挙法改正で、選挙権年齢の引き下げ以外には、選挙運動も18歳からできるようになります。選挙運動とは「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として投票を得、又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされています。

18歳になれば、選挙が公示された日から投票日の前日まで選挙運動ができることになりました。18歳以上の人が、選挙期間中に自分で選挙運動メッセージをホームページやブログに書き込んだり、他人が書いた記事などをLINEなどのSNSで広めることも選挙運動になります。選挙運動や政治活動については、学校においては高校生として学校の規則を守ること、選挙との関係では公職選挙法などの法律を守る必要があります。

選挙運動には禁止されている行為があります。18歳未満の人が行うこと、期間外の選挙運動、戸別訪問、飲食物の提供、署名運動、買収、候補者や政党等以外の者が電子メールを使って選挙運動をしたり、選挙運動用ホームページや電子メールなどをプリントして配ることは禁止されています。

 私は、選挙権を得て32年がたちましたが、実は一度も棄権をしたことはありません。時には論点がよくわからないと思った選挙もありましたが、自分なりに判断して1票を投じてきました。選挙は、自分の意見を政治に反映する機会です。日本で女性が選挙権を得た70年前のことが教科書にも記載されている歴史的な出来事であるように、18歳選挙権の実現は教科書にも載る歴史的な出来事です。
 今日は、18歳選挙権の話をしました。皆さん一人一人には無限の可能性があります。「それ、無理!」と自分で限界を決めずに、選挙に限らず、自分の可能性を最大限に伸ばしましょう。

 翌日の6月2日の読売新聞朝刊の社会面に鳩ヶ谷高校の全校集会のことが紹介されました。若者もしっかりと考えを持っています。自分の可能性を伸ばしてもらいたいと記事を読みながら思いました。