2016年10月の記事一覧
《校長日誌》これからの総合的な学習の時間
鳩ヶ谷高校は、普通科・園芸デザイン科・情報処理科の3学科併置の総合制高校です。高校の場合、普通科と専門学科は、専門学科では普通科目の他に専門科目を多く学習するため、普通科目の学習時間が普通科に比べると少なくなります。また、専門学科では「総合的な学習の時間」を課題研究で対応している学校が多い状況です。鳩ヶ谷高校では、3学科併置の特色をいかすために平成24年度から「総合的な学習の時間」を学年統一の内容で実施しています。文部科学省の中央教育審議会で検討されている次期学習指導要領では、「総合的な学習の時間」を「総合的な探究の時間」として深化させる方向で検討されています。
今日は、「総合的な学習の時間」がある日でした。1年生は公益社団法人経済同友会の御協力により8名の方に御来校いただき出張授業をしていただきました。2年生は進路ガイダンスとして34の大学・短期大学・専門学校の先生方に模擬授業を行ってもらいました。3年生は「高校生のための消費者講座~社会に出る前の法律知識~」を埼玉司法書士会の 本田 洋明 司法書士に講演をしていただきました。
今日は、1学年の経済同友会の皆様の御講演を紹介いたします。御協力いただいた公益社団法人経済同友会は、昭和21(1946)年に設立され、日本経済団体連合会(経団連)、日本商工会議所と並ぶ「経済三団体」の一つです。
経済同友会では、「活力ある21世紀の日本社会を支えていく人材の育成・教育」のために、企業・経営者にできる具体的な活動として、「学校と経営者の交流活動」を推進しており、約100名の経営者が登録され、年間約140件の出張授業や講演活動を展開しています。この活動は、平成13(2001)年4月10日に発表した提言「学校と企業の一層の相互交流を目指して~企業経営者による教育現場への積極的な参画~」に基づき行われている事業だそうです。
鳩ヶ谷高校では、企業経営に携わられている方から、企業や社会の現状等を生徒に直接お伝えいただくことにより、生徒が自分の将来に対する希望や目的を持つきっかけとするために企画したものです。「社会に出る前の今、私たちが身に付けておくべきこと」という演題により、クラスごとに授業をしていただきました。御来校いただいた講師の方々は、企業経営の第一線でご活躍されている次の皆様方でした。
林 昭夫 様(株式会社開倫塾 取締役社長)
小林 惠智 様(ヒューマンサイエンス研究所 理事長)
森 健 様(株式会社ローランド・ベルガー エグゼグティブアドバイザー)
高坂 節三 様(日本漢字能力検定協会 代表理事長)
曽谷 太 様(ソマール株式会社 取締役社長)
林 達夫 様(アークデザイン株式会社 取締役社長)
藤田 實 様(オグルヴィ&メイザー・アジア大洋州 相談役)
和田 裕 様(マッハコーポレーション 取締役社長)
1年生の各教室では、講師の皆様のスタイルにより、パワーポイントを使用されたり、講義形式など様々でした。時に、笑いあり、納得ありの50分間で生徒はとても真剣に聞いていました。講義の内容は、私たち教員にも大変参考になるものでした。
《校長日誌》夢に向かってタネをまく。鳩ヶ谷高校。
鳩ヶ谷高校では、来年度からカリキュラムを一新して、新しい学びがスタートします。今日はそのポイントについてご紹介します。
リニューアル鳩ヶ谷高校のポイント
1 1学年で1クラス35人少人数学級編制のミックスホームルーム。
2 2学年から学科別進路希望別のクラス編成。普通科では32人の少人数学級編制。
3 2・3学年では進路希望にあわせて選択する3学科横断の総合選択制を実施。
一歩踏み出す人と、立ち止まったままの人。
違いは、やればできる、と信じることだと思います。
今の自分より「夢」を持って少し前へ、それだけで、きっと明るくなると思います。
迷ったり悩んだりしながら、少しずつ大人になっていきます。
鳩ヶ谷高校は、そんな「夢」を現実にする力がある学校です。
あなたの「なぜ」に応え、あなたの「いま」を変えてゆきます。
平成29年度から鳩ヶ谷高等学校は新たな学びがスタートします。
明日への一歩。
夢への一歩。
新しい自分への一歩。
私たちは、前へ進もうとする人のそばにいます。
夢にむかってタネをまく。鳩ヶ谷高校。
《校長日誌》鳩高版「社会契約論」
皆さんは、いちごをどのようにして食べますか。私は、器に入れたいちごを一つ一つつぶして、砂糖を入れて、牛乳をいれたいちごミルクにして食べるのが大好きでした。丸ごと食べる人、練乳(コンデンスミルク)をかけて食べる人、塩で引き締めて甘みを感じるなどいろいろあるようです。私は、結婚して27年たちますが、いちごミルクでいちごを食べていたら、妻に「いちごに失礼」と言われました。以後、いちごは丸ごと食べています。結婚しなければ、自分は自由にいちごを食べられました。毎回、たっぷりの砂糖と牛乳を入れたいちごミルクを・・・
なぜ、このような話をしたのかというと、人間は2人以上集まると、考え方、意見が違ってきます。そこで、ルール、つまり規則が作られます。お互いの大切な権利を守るために、ほんの少しの自由を出し合いながら集団を作っているのです。鳩ヶ谷高校838人、教職員81名の集合体です。ある先生が、なぜ校則があるのだろうと真剣に考えていました。
今日は、鳩高版「社会契約論」についてお話します。
例えば、バイクの免許。埼玉県では「免許をとらない、バイクに乗らない、バイクを買わない」というバイク3ない運動に取り組んでいます。日本の法律では、バイクの免許は16歳以上から取得できます。なぜ、バイクの免許を取ってはいけないのか。今から38年前、私が高校1年生の時にはバイク通学を認めている県立高校もありました。でも、私は高校1年生の時に中学校の同級生が3名バイク事故で亡くなっています。社会問題化していました。それから38年たちましたが、日本の道路事情はあまり変わらないですね。便利さは危険度を高めます。先日、雨の日に傘を差しながらバイクを運転するおばさんに唖然としました。大人も劣化しています。衰えていますね。
例えば、口紅、短いスカート。他人に迷惑をかけていないと思っているかもしれません。性犯罪は、「魂の殺人」と呼ばれる凶悪犯罪です。先日も、カナダで日本人女性が殺害される事件が発生しました。学校では、大切な権利を守るために、ほんの少しの自由を差し出してもらっているのです。「自己責任」という言葉が、この20年間によく使われるようになっています。私の嫌いな言葉の一つです。学校は「自己責任」を求めるところではありません。
例えば、たばこ。英国の調査では、たばこを1本吸うと5分30秒寿命が縮むらしい。別の日本の調査では、11分55秒寿命が縮むらしい。近くにいるだけでも、受動喫煙の有害性は3倍だといいます。
大切な権利ってなんだろう。一言で言うと「命」を守ることです。いじめへの対応の根本もここにあると思います。
鳩ヶ谷高校は、昭和63年に開校し、平成29年には創立30周年を迎えます。開校以来、普通科、農業系の園芸デザイン科、商業系の情報処理科の3学科を併置した県立高校として、7,000人余の卒業生を輩出しています。
過去3年間の教育活動を振り返ってみますと、普通科では、平成26年度卒業生が埼玉大学へ進学したのをはじめ、大学、短期大学等への進学者が着実に増加しています。園芸デザイン科では、日本フラワーデザイナー協会が主催する全国高校生フラワーデザインコンテストにおける金賞、農林水産大臣賞などの受賞、情報処理科では、経済産業省の情報処理技術者試験「ITパスポート」や難関の日本商工会議所主催の簿記検定2級に毎年合格者を輩出するなど、専門学科の実績も顕著です。
部活動では、13年連続全国大会出場の写真部、12年ぶりに関東大会に出場した弓道部の他、バドミントン部、陸上競技部、テニス部、ソフトテニス部が県大会に出場するなど活性化してきています。
本校では、30周年を契機にさらなる飛躍を目指し、平成29年4月入学生から、①1学年において1クラス35人少人数学級編制による3学科混合のミックスホームルームの実施 ②2学年から学科別進路希望別のクラス編成 ③2・3学年では進路希望にあわせて他学科の授業も選択できる3学科横断の総合選択制 を実施します。
平成28年度も後半になりました。現在在籍中の皆さんにも、授業をはじめとして学校の教育活動全体をより向上させるとともに、充実した高校生活と確実な進路保障ができるように、教職員が一丸となって取り組んでいます。
鳩ヶ谷高校の生徒・教職員一人一人の知恵を力を結集して、充実した高校生活を送り、よりよい鳩高をつくりあげましょう。