2024年4月の記事一覧
対面式でのメッセージ
【対面式で新入生と在校生にメッセージを送りました】
新入生の皆さん、在校生の皆さん、おはようございます。
本日は、新入生と在校生が初めて対面する機会です。
新入生の皆さん、昨日の入学式はどうでしたか。緊張していたこともあると思いますが、時間時間で区切られ、言われるがまま動いていた1日だったのではないでしょうか。気持ち的に疲れたのではないかと思います。
入学式後のクラスでの配布物や提出物、今週の予定など、一つ一つじっくり整理しないと自分が何をやればよいか、わからなくなってくるのではないでしょうか。
そんな時こそ、焦らず、じっくりと計画を立てること、つまり、スケジュール管理することです。スケジュール管理はとても重要です。社会人になったら、この能力が仕事の成果に結びつくといってもいいと思います。
このスケジュール管理は、自分自身の能力ですが、これを補うのが人間関係です。自分の気づかなかった、気が回らなかった、うっかりしていたことを、他の人との人間関係の中で、他者から指摘されると修正が効き、結果的に本来進むべきスケジュール通りにいくことにつながります。
新入生の皆さんは、近くの同級生に相談することも大切ですが、困ったときは先輩方の力も借りて、一刻も早く鳩ケ谷高校に慣れてほしいと思います。
また、在校生は、後輩に手を差し伸べて、鳩ケ谷高校の先輩として面倒を見てもらえると嬉しいです。本日の対面式から、年代を超えた絆づくりがスタートします。よろしくお願いします。
入学式の立役者
4月8日(月)鳩ケ谷高校の第37回入学式が厳粛に行われました。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。
新入生の皆さんの胸には、デンファレという蘭を使ったコサージュがつけられました。本物の花を使い、新入生全員につけられるこのコサージュは、実は園芸デザイン科の在校生によって作られたものです。(写真)新入生に対し、真心を込めて、一つ一つ手作りされるこのような取り組みは他には無いといえます。鳩ケ谷高校の誇りです。新入生の皆さんには、上級生からのおもてなしを心に感じていただき、これから始まる高校生活を有意義に過ごしてほしいと思います。
また、入学式会場の壇上には豪華な盛花が飾られていました。一見プロが作ったかのような、大きくて華やかな盛花ですが、実はこれも本校生徒が作成したものです。(写真)園芸デザイン科3年生の品川優奈さんの作品です。会場となった広い体育館でも全く見劣りしない、堂々としていて来校者の目を引き付ける素晴らしいものでした。
このように、鳩ケ谷高校の学校行事は、多くの人たちの真心によって支えられています。
コサージュ 盛花
始業式の講話
【在校生に対して校長からメッセージを伝えました】
皆さん、改めまして、おはようございます。いよいよ新年度が始まりました。今年は桜の花も皆さんの始まりを歓迎するかのようにちょうどよく咲いており、この後の午後には新入生を迎えるわけですが、新入生にとっても、在校生の皆さんにとっても、非常に良い門出になったのではないかと思います。新型コロナが5類となって以降、初めての春です。人々の活動も活発になり、多くの人がお花見等で、穏やかな季節の到来を楽しんでいます。
皆さんは、お花見はしましたか。この4月、桜を見ている人がほとんどだと思いますが、皆さんは桜を見るときにどのような状態になりますか。ほとんどの場合、自分より目線を高くして見上げると思います。見上げると桜の花びらが見え、きれいだなと感動し、心が満たされ、豊かになり、前向きな思考になっていく感覚を覚えるようになっていきませんか。私は、この感覚は、桜の美しさだけに起因するのではなく、「上を向く」という動作にも起因していると思っています。人間、いいことばかりではないことは、皆さんだってこれまでの人生で経験していると思います。気持ちの変化は、態度や表情やしぐさで表に現れます。思い通りにならない時やつらいことがあった時は、下向きになりがちです。そのような時こそ、ぜひ上を向いてほしいと思います。上を向くことで、マイナス思考となっていた気持ちを少しでも好転させ、前向きな行動に結びつけるのです。行動には気持ちが伴いますから、このような前向きな気持ちは、行動した結果にも表れてくるものです。ぜひ、つらい時、苦しい時こそ上を向き、思考の転換ができるようになってほしいと思います。
さて、令和6年度の始まりにあたり、私から一つ申し上げたいことがあります。皆さんは、この言葉を知っていますか。 「知・好・楽」ということばです。漢字で説明すると、1つ1つの意味は分かると思いますが、この3つの言葉がどういう意味を持っているのかお話しします。この言葉は、論語から来ています。
子曰く、之(これ)を知る者は、之を好む者に如(し)かず。之を好む者は、之を楽(たの)しむ者に如かず、ということです。もう少し簡単に説明すると、孔子はおっしゃった。これを知る者は、これを好んでやっている者にはかなわない。これを好んでやっている者は、これを楽しんでやっている者にはかなわない、という意味です。
勉強も仕事も、まずは「知る」ことから始まります。たくさん知っていくと、理解が進むわけですから、だんだんと「好き」という感情に代わっていきます。自分で「出来た」という満足感や自己肯定感が生まれ、その勉強や仕事が「好き」に変化していくわけです。一般的に言う「好きこそものの上手なれ」の状態です。そして、その状態を継続していくと、いつしか「楽しい」という感情に変化し、楽しみながらやっている姿が行動にも表れます。その態度は相手にも伝わるため、他の人から輝いて見られ、それがさらなるやりがいにつながっていくという、プラスのスパイラルが生まれる、その状態が「楽しい」となるのです。
この考えを座右の銘として実践してきたのが、元マラソンランナーの増田明美さんです。皆さんのお父さんやお母さんの世代は、彼女のことをよく知っていると思います。彼女は、天才ランナーと呼ばれ、1984年のロサンゼルスオリンピックに出場しました。今では、オリンピックで女子マラソンは当たり前の競技となっていますが、実は、このロサンゼルス大会が初めての正式種目だったのです。当時強かった、日本のマラソン競技だったため、国民の期待を一身に背負って出場したわけです。彼女が20歳の時です。彼女自身も、これまでの実績や評判から、できるという自信があったのだと思います。また同時に、周囲の期待も非常に高く、良い結果が出るものと誰もが思っていました。しかし、結果は途中棄権というものでした。このどん底を体験した彼女が立ち直ったきっかが、「知好楽」なのです。大きな挫折を経験したあと、この言葉でマラソンを楽しむようになった彼女は、平成4年に引退するまでの間の13年間で、日本最高記録12回、世界最高記録を2回更新するという大偉業を残しています。
例え話が世界で活躍した人であるため、自分より遠い存在だと思う人がいるかもしれません。しかし、このマインドは誰にも当てはまるものだと思います。皆さん、勉強や部活動を楽しめるようになってください。楽しんでやっている人には、すぐにではないにしろ、いずれ結果が伴ってくるものと思っています。皆さんには、高校3年間だけではなく、その後の人生においてもこのことを思い出して取り組んでほしいと思います。それが自分自身への成長にもつながります。 以上